宮城県塩釜市/新庁舎建設で基本的考え、最大延べ1・3万平米に・27年度供用開始へ

宮城県塩釜市は、新市庁舎建設に向けた基本的な考え方をまとめた。2027年度の供用開始を目指し、補正予算を編成した上で基本構想・基本計画の策定に着手する。必要とする庁舎の規模は延べ床面積9000~1万3000平方メートルを見込む。新庁舎は「市民と環境にやさしい、安全でコンパクトな庁舎」を基本理念に、高い防災機能と快適な利用、機能的でコンパクトな施設とする。
建設候補地は現庁舎敷地(旭町1の1、敷地面積6789平方メートル)と二又スポーツ広場(新富町1の14の10、1万2365平方メートル)の2カ所。いずれも県が公表した津波浸水想定区域にあり、ピロティなどの浸水対策が必要となる。現在、2回目のサウンディング(対話)型市場調査を実施し、概算事業費や建設費用の圧縮案などの提案を求めている。
現本庁舎(RC造4階建て延べ3364平方メートル)は1960年に建設。東日本大震災で被災し、耐用年数の経過、老朽化が顕著となっている。壱番館庁舎(北側SRC造3階建て延べ2451平方メートル、南側同造2階建て延べ495平方メートル)をはじめ東第1分庁舎、東第2分庁舎など七つの建物に行政機能が分散している。
新庁舎では、防災拠点機能や業務継続機能、市民サービス機能の充実を図る。自然エネルギーの活用や省エネ手法の導入、建設規模の最適化、施設のコンパクト化を基本とする。
年内に建設地を絞り込み、基本構想・計画をまとめる。緊急防災・減災事業債の活用を前提に、新庁舎へ集約・複合化する公共施設も検討し、事業者公募を想定。24~26年度にかけ設計、工事を進める。

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