マグヌッセンへのペナルティの累積方法にマクラーレンF1代表が不満「スポーツマンシップの観点から意味をなしていない」

 マクラーレンF1のチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、F1第6戦マイアミGPのスプリントレースにおけるケビン・マグヌッセン(ハース)の防御戦術を強く非難した。それらは「まったく受け入れられない」戦術であることから、FIAはこの意図的な行動に直ちに対処しなければならないとステラは主張している。

 スプリントレースでのマグヌッセンの戦術は、第2戦サウジアラビアGPで、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグがポイントを獲得するのを助けるために中団のライバルたちを繰り返し抑え込んだ際の物議を醸した行動と似ている。今回はルイス・ハミルトン(メルセデス)を相手にアグレッシブに防御をしながら、ポジションを維持するために4回もコースアウトし、連続してタイムペナルティを受けたが、最終的にまたヒュルケンベルグを助けて彼の7位フィニッシュと2ポイント獲得に貢献することになった。

 スチュワードが認めたにもかかわらず、マグヌッセンはスポーツマンシップに反する行為でペナルティを受けることはなく、この決定はステラを激怒させた。ステラは、マグヌッセンがこのように露骨な戦術を繰り返し使用していることから、FIAが将来同様の状況を防ぐために行動を起こし、ルール変更を実施する必要性が明らかになったと主張している。

「他のライバルにダメージを与えるという点で意図的な行動があり、それは同じレース内で続けられ、同じシーズンを通して繰り返される」とステラは語った。

「ペナルティはどのように累積され得るか? それは指数関数的であるべきで、5+5+5=15としないことだ。“5+5+5”になったら、週末は家で家族と過ごし、自分のスポーツマンシップを振り返り、そうしてから戻って来る必要があるかもしれない……」

「これは断じて容認できない。スポーツマンシップの観点から意味をなしておらず、早急に対処する必要がある。ポイント圏外なら、20秒ペナルティなどを科されても何の違いもない。しかしダメージを与えられたライバルは、意図的かつ継続的な繰り返しのなか、レースから追い出されたのだ」

 奇妙なことにFIAは、ライバルをかわしたりチームメイトを助けたりするためにマグヌッセンが行ったような防御の行動に頼るドライバーの件について、沈黙を守っている。

FIAが反応しない理由について尋ねられたステラは、「彼らにそうしない理由があるとは思わない」と答えた。

「彼らは、このようなことが繰り返されたという事実に驚いたのかもしれない」

「FIAは調査を行い、スポーツ諮問委員会が評価できるような賢明な提案を行うだろうと私は確信している。それがすぐにスチュワードが適用できる規則やガイドラインになることを期待している」

2024年F1第6戦F1マイアミGP ケビン・マグヌッセン(ハース)とルイス・ハミルトン(メルセデス)

 防御的な戦術を乱用するドライバーを厳重に取り締まるというステラの希望は、マイアミGPのスチュワードによって後押しされた。マグヌッセンのケースで、関係者は「スポーツマンシップに反する行動をとったという明確な証拠はない」と結論付けたが、それでも彼らは「20号車のドライビング方法には賛成できない」と述べた。

 マグヌッセンの度重なる違反を鑑みて、報告書はドライバーにより厳しいペナルティを科す権限をスチュワードに与えることを目的としたレギュレーション調整の可能性について、議論が行われる予定であることを指摘した。

「今後、スチュワードは適切な状況下で特に違反が繰り返された場合に、今日のようなシナリオを阻止するため、各違反に適用される罰則の強化が必要か否かを検討する必要がある。これはFIAとスチュワーディングチームがともに明確に提起していくことだ」

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