出張族が1万円以内で安く泊まるには? インバウンドと国内需要回復でホテル高騰

出張の宿を取るのも一苦労(C)日刊ゲンダイ

「都心部のホテルはどこも高くて泊まれない……」

出張のたびにそう嘆く人も多いはずだ。

東京商工リサーチがビジネスホテルの8ブランドを対象に調べたところ、昨年10月から12月の客室単価は、1万2339円だった。コロナ禍前の2019年同期は9587円で、実に3000円近くも上昇している。

これだけホテルが高くなった背景には、国内需要の回復と旺盛なインバウンドの影響がある。

昨年5月に新型コロナが5類に移行し、行動制限が原則なくなったため出張や旅行の需要が回復した。また、円安に伴い海外からの長期滞在者が増えており、都心部を中心に人が押し寄せ、ホテルの需要が高まっている。

他にも、ホテル業界は深刻な人手不足に悩まされており、人材確保のために給料の引き上げを迫られている。エネルギー価格の高騰といった値上げ要因も重なり、客室単価はしばらく高止まりしそうだ。

最長10連休だったゴールデンウイークが終わり、きょう(7日)から職場での忙しい日常が戻る。出張も増えるだろう。

■「打つ手は2つ」と旅行ジャーナリスト

東京都内では、1泊1万円を超えるビジネスホテルも当たり前になってきた。少しでも安く泊まるには、どうしたらいいのか。旅行ジャーナリストの鳥海高太朗氏は「打つ手は2つある」と、こう続ける。

「ホテルチェーンの中でも、東横インなら1泊1万円以内で泊まれるなど、価格が安定しています。安い分人気になり、予約が難しいですが、直営サイトはキャンセル分の反映が早いので、狙い目です。また、さまざまな予約サイトをチェックしていると、思わぬところで予約が取れることも。ネットを活用し、5分、10分単位でこまめに確認することが大切です」

中心地から離れたエリアに宿泊するのも、ひとつの手だという。

「東京なら埼玉県、大阪なら兵庫県など、周辺地域に宿泊する手段もあります。都心と比較すると割安で、移動の際の電車賃などはかかりますが、結果的には安く収まるかと。また、ロードサイドのホテルなどは駅から遠く訪日客があまり来ないので、予約が取れることもあります」(鳥海高太朗氏)

どうやら楽して安く泊まる“裏ワザ”はなさそう。地道な努力が実を結ぶ?

© 株式会社日刊現代