縫いぐるみ「ヨコトリ」が横浜国際展の公式グッズに 大分市拠点の安部泰輔さん制作【大分県】

横を向く神奈川県鳥のカモメがモチーフの「ヨコトリ」。四つ葉のクローバーが付いている
来場者や市民ボランティアと会話しながら縫いぐるみを制作する安部泰輔さん
スタッフにも人気の「ヨコトリ」。横浜美術館のミュージアムショップなどで販売している
「ヨコトリ」や大分県立美術館で制作したネコの縫いぐるみをバッグに付けた来場者

 【大分】大分市を拠点に活動する美術家の安部泰輔さん(50)が制作する手のひらサイズの縫いぐるみが、3月15日から横浜市内で開催されている国際展「横浜トリエンナーレ」(同市など主催、6月9日まで)の公式グッズに採用された。評判は上々で来場者が服やバッグに付けてアート巡りを楽しんでいる。

 3年に1度開かれる現代アートの祭典。2001年に始まった。8回目の今年は「野草:いま、ここで生きてる」をテーマに世界の国と地域から93組が出品。横浜美術館を中心に市内各所で多彩な展示やプログラムを公開している。

 安部さんは05年と11年にも参加。来場者と会話しながら古布で縫いぐるみを縫い、会場に展示したり来場者が持ち帰ったり、その過程を作品とするインスタレーションを発表した。

 縫いぐるみは14年と17年に同館ショップで販売し、人気があったため7種類ある今回の公式グッズの一つに採用された。神奈川県鳥のカモメをモチーフにしており、横浜市民や企業から集めた古着で1体ずつ作っている。1個千円。「ヨコトリ」と名付けた。

 組織委員会事務局の丸山晶子次長は「かわいらしく親しみがあり、アートの入門編になる。個性を大切にし、持続可能な社会の実現を目指す展覧会のコンセプトにもぴったり。一緒に会場を巡り、交流サイト(SNS)などで発信してほしい」とPR。

 安部さんは横浜トリエンナーレと同時開催されているアートフェスティバル「黄金町バザール」で「ヨコトリ」などを公開制作している。大分県立美術館など各地で制作した作品を付けて訪れる人も。出会いや会話を生むコミュニケーションツールにもなっているという。「展覧会が終わっても物語は続く。ヨコトリが全国に飛び立ち、3年後に戻ってきてくれたらうれしい」と話している。

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