「任侠っぽいけど……」維新・浅田均参院議員、橋下・松井・馬場3氏について語る 選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年4月15日に公開された動画のテーマは「橋下さん・松井さん・馬場さんってどんな人?」

大阪維新の会の創設以前から3人を知る、「維新の頭脳」こと日本維新の会・浅田均参議院議員に、社会学者の西田亮介氏が切り込みます。

【このトピックのポイント】
・浅田氏から見た橋下さん・松井さん・馬場さんはズバリ?
・維新の大胆政策、医療制度改革の根拠は
・維新が野党第1党を目指すホントの理由とは

浅田氏のプロフィールは以下の通りです。

浅田均氏は大阪府の出身。京都大学哲学科を卒業後、スタンフォード大学の大学院修士課程を修了。NHK職員、経済協力開発機構(OECD)職員を経て1999年に大阪府議会議員選挙に立候補、初当選を果たしました。

「世の中がどうなっているのかを極めたい。わからないことをほっとかず、なんとかわかりたいと思うタイプ」と語る浅田氏は、哲学を学べば世の中のことがわかるのではないかと、哲学の道を志したと語ります。

実際の哲学科は「理屈ばかり、本を読むことが多い世界」で、現実とは何だ、どう動いているかに興味を持ち、ジャーナリズムを目指した浅田氏。

大学院、OECDで海外経験も豊富な浅田氏が政治へ転身したきっかけは、父親の浅田貢氏(元大阪府議)からの1本の電話だったそうです。

浅田均氏「ありていに言うと父親に騙されて。パリにいた自分にブラジルから電話があって。『俺は明日にでも死ぬ、喉頭がんで声が出ない』と、泣くような声で」

こうして入った政治の道を「志したとかいう高貴なものではなく、不承不承」と淡々と語る浅田氏ですが、「父親の後を継いで府議会議員になったところ、結構面白かった」ため、現在に至るとお話しされました。

今回は以下の質問からいくつかピックアップして浅田氏に回答していただきました。

橋下・松井・馬場……「見かけによらず、いいやつです」

橋下徹氏、松井一郎氏、馬場伸幸代表と旧知の仲である浅田氏。

浅田氏「総じていうと3人ともね、見かけによらず、いいやつ」(2回繰り返す)

彼らのポスターを「昭和任侠伝とか、仁義なき戦いとか、アル・カポネのゴッドファーザーみたいなね。なんかくらーい、影のある、アングラビジネスやってるような雰囲気を、この3人とも漂わせているけど」と言い表し始める浅田氏。言葉が止まりません。

浅田氏「(任侠っぽいのは)やめとこ、あかんやん。受けへんからやめよといっても、3人とも『今さら善人ぶるのは嫌や』と言うんですよね。こだわるんですよね」

浅田氏「松井・馬場いうたら直系の兄弟分。橋下・松井というのはイエス・キリストとペテロ(※)。グレートコミュニケーターと口先だけでなしに、地に足のついた組織を作っていった……ああ、ええ例えやな、キリストとペテロ(自画自賛)……ところで、松井一郎さんはわかるけど、橋下さんと馬場さんは強面?」

(※1本目でもイエス・キリストの例えがありました)

MC西田亮介氏「馬場先生はちょっと強面じゃないですかね?話すとちょっと面白い感じではあるんですけど、口を開くまでは圧が強い……それはそれとして、真面目なほうもお願いします」

浅田氏は三度、「3人とも見かけによらず、すごいええやつや、というのがベースにある」とした上で、3人の政治家としての誠実さをこう語ります。

浅田氏「四六時中、365日、任期のあいだに掲げた公約を実現するのが俺らの役割や。議員というのは手段であって、目的ではない。そういう意識を3人とも強烈に持っている。できなかったら後に譲って、次に任せる。」

浅田氏「やりきる意識をものすごく持っていたから、口先だけでなしに実際にやってましたけど、こいつは倒れるん違うか、くらいまで根を詰めてやった。そういう誠実さは3人とも持っています」

さらに、府議会議員として向き合った大阪市長について、「議員の立場から見たら首長はものすごくしんどい、忙しい」と評します。

大阪市長の場合は、基礎自治体としての仕事に加え、地下鉄や大学、病院の経営に携わらなければなりません。

浅田氏「1期4年がやっとこさ、2期8年やったら死ぬわ……3期とか4期とか多選批判されますやん。10年やってできないことは20年やってもできるはずないってないのがこの人たちの理屈やから。任期のうちに無理していると言われても、実現する、ダメなら引く」

テレビタレントだった頃の橋下氏に対しては「茶髪でね、なんやこいつ……みたいな。ところが会ってびっくり仰天ですよ。テレビの向こうにいる人を意識する部分とそうでない部分があっておやおやおやと。びっくらポンですよ」

MC西田氏「松井先生に関しては、長らく同志のご関係?」

浅田氏が初当選した時は、「松井一郎さんも、浦野靖人さん(維新・衆議院議員)も東徹さん(維新・参議院議員)も、まだお父さんが議員をされていて……」と当時を振り返ります。

浅田氏「僕は(松井さんと)2期目で知り合って、それからの付き合い」

MC西田氏「大阪自民党の頃からですね。そこから(大阪維新の会に)分かれてずっと、現在に至るまでということですね」

浅田氏「馬場さんは、要するに松井の兄弟分でね。最初から一緒にやってくれてるから、同志いうたら同志ですよ。ただ、僕と松井一郎さんと東徹さんは大阪府議会で一緒やったけど、馬場代表は当時は堺市議会でしたから、土俵が違うといえば違う。共通に過ごす時間は、やっぱり松井さんとか東さん、浦野さんのほうが長かったです」

現在でも、橋下さん、松井さんとご一緒することは「ある」とは言いますが……。

浅田氏「大阪は、(西川きよし氏や横山ノック氏の系譜で)『お笑い100万票』と言われてた。それが逆転してしまって、議員やめてテレビ活動してるから、逆のルートをこの人たち作りつつあるんかなと思う」

浅田氏「そういうところ(テレビ活動)を食い扶持にしてるから、僕らも嫌がられます。政党関係者とはあんまり会いたくないって(笑)」

維新の大胆提言:医療制度改革、真の狙いは?

「次の質問は」という声に、残り2つのボールをいちどに引きたがる、サービス精神旺盛な浅田氏。両方お話しいただくことになりました。

まずは、高齢者の医療負担を3割に引き上げるという、維新の医療制度改革に対する大胆な提案についてです。

MC西田亮介氏「このタイミングで医療制度改革を出された狙いは?」

浅田氏は、日本の社会保障制度で現役世代の負担が重くなる、という認識の背景にある問題を指摘します。

浅田氏「よく誤解されてて、国民年金の場合、年19万円くらい払ってもプールされて、高齢者になった時に帰ってくると勘違いする人が多いが、現在の社会保障制度は賦課方式。今年払われた年間19万円は、その年に高齢者に使われてしまう」

浅田氏は、「1960年代に毎年200万人くらい新生児が生まれていた頃にできた制度設計が、支える側が減ってきて負担が大きくなる」と説明し、「医療にせよ介護にせよ、年金を積立方式に」という提案をします。

浅田氏「医療43兆円、薬剤関係12兆円だけで55兆円、GDPの10%。これがどんどん大きくなっていく。若い人々には制度的に持続可能ではないだろう。このあたりで大なたを振るって、貧乏な若者が豊かな高齢者を支える矛盾した仕組みになっているので、自己負担できる人は3割負担してください。でないと支える人がつぶれてしまいます」

浅田氏は、混合医療や混合介護など、制度を改めれば持続可能で若い人への負担は軽くなると指摘、「(維新は)経験がない故の強さ、しがらみがないから提案できる」と主張します。

MC西田亮介氏「積立方式はインフレに弱い。緩やかなインフレに突入する中、積立方式で大丈夫か?」

浅田氏は、「物価連動にさせておくとか、解決方法はいくらか考えられると思う」と語ります。賦課方式でなく、積立NISAのように自分が積み立てただけ帰ってくるプランを組み立てられるようにすれば、厚労省が懸念する「二重の負担が生じる」ことだけ解決できれば支持者が多くなるはず、と説明します。

MC西田亮介氏「高齢者が豊かだというのは本当だろうでしょうか?例えば、住民税非課税世帯についても単身の高齢者が多くを占めています。世代の人口比率を細かく見る必要があるがそれで大丈夫か」

浅田氏「日本の現預金残高1000兆円以上。その60%以上が65歳以上。統計で見る限り、豊かな人がいるはず」

実現にあたっては、金融資産の正確な把握が前提になってきます。国民の受容が問題になりそうですが……

浅田氏「資産を捕捉されたくないという意識は、納得していただくしかない」

資産を持っていることが知られると税金で持って行かれる。このため、資産が多い層には受け入れられなさそうですが……

浅田氏は、「維新の政策で、一部しか表に出していないが、フローからストックへ課税対象を移行させていく考えがある」と打ち明けます。

浅田氏「堺屋太一氏(安倍首相のブレーン)や竹中平蔵氏(小泉内閣で閣僚)は資産課税を取っている国なんて16%しかありませんよ、そんなことできるんですか?って言うけど、先生持ってるからですやんって」

MC西田亮介氏「方針としてはわからなくないけれど、もう1点。これを実現するといくら浮くの?」

浅田氏「音喜多(政調会長)に指示します(即答)」

日本維新の会が野党第1党を目指すホントの理由

次期衆院選で「与党の過半数割れ」と「野党第1党」の両方を目指す活動方針を決定した日本維新の会。大躍進に向けて……

浅田氏「選挙勝たなあきませんやん」

浅田氏は、現在の国会運営の問題を、成立を遅らせるための日程闘争やスキャンダル追及で政策論議が進まないことにある、と喝破します。

浅田氏「維新(が野党第1党)になったら、順番にいつまでに議論して賛否を取ろう。政策に関する議論が中心になる国会になるので、日程闘争やスキャンダル追及だけの国会でなし、風景が変わって見えるようになる」

MC西田亮介氏「自民党がある程度議席を減らす時、自民党の議席が減れば減るほど連立を組む方向になってしまいませんか?オルタナティブとして、野党としての存在感を発揮していただけますか?」

浅田氏は、「自民党がどういったかたちで壊れるかにもよる」と前置きをしながら、次のように締めくくりました。

浅田氏「維新は、政権交代可能な仕組みということで小選挙区制を支持しています。連立に加わった時点でこいつら連立かと。そこで雲散霧消してしまう可能性が大きい。対立するひとつの政策集団として維新が生き延びられるよう、第一歩にしたい」

動画本編はこちら!

「強面だけど誠実」維新・浅田参院議員、同志の3人について語ります!

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