性別「らしさ」の強要に違和感、Z世代6割

Z世代とジェンダー・多様性に関する意識調査

学校で「ジェンダー」を学ぶ機会が増えた今、「男(または女)だから」といった性別「らしさ」を強要されることにZ世代の約6割が違和感を感じていることが2024年4月25日、SHIBUYA109 lab.の調査で明らかになった。

「Z世代とジェンダー・多様性に関する意識調査」は2024年3月、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の15~24歳のZ世代を対象に、外部調査パネルによるWeb調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューで実施。回答者数は、外部Web調査455人、SHIBUYA109 lab.調査7人。そのほか、過去定性調査をもとに考察。

Z世代の7割が「SDGsに関する授業を受けたことがある」、約6割が「ジェンダーに関する授業を受けたことがある」と回答。SDGs17目標のうち、日本がもっとも力を入れて取り組むべき課題1位は「ジェンダー平等を実現しよう」だった。

「性別にとらわれずにお洒落を楽しみたい」割合は7割を超え、インタビュー調査においても、商品自体の性別カテゴリを気にせずに自分にあうファッションアイテムを購入しているようすが確認されたという。制服も「女子生徒のスラックスがある」割合が約6割と選択肢が増えていることがわかった。

ジェンダーに関する不平等感や理不尽さを感じる場面は、「SNS上での発言やコンテンツの中で」が最多で33.6%、ついで「学校生活の中で」が30.0%、「家族や親せきとのやりとりの中で」が25.2%。

また、「男なんだから」「女なんだから」という性別「らしさ」を強要されることに違和感・不平等感を感じる割合と、ジェンダーに関して差別的・不適切な発言をしている人がいたら不愉快だと感じる割合が共に約6割となった。グループインタビューでは「学校にも性的マイノリティであることをカミングアウトしている人がいて身近」などの意見も聞かれたという。

ジェンダーを含む価値観の多様性に関しては、79.1%が「価値観があわない人がいるのは仕方ない」、73.4%が「価値観があわない人とは戦わずに距離を置きたい」と考えており、「価値観があわない人とも歩み寄っていきたい」と考える人は43.8%と半数を切った。

「ジェンダー平等」は、Z世代に身近な社会課題であり、ジェンダー意識のアップデートができていない環境やコンテンツはZ世代から距離を置かれてしまう可能性が高いことが明らかとなった。ファッションを中心にジェンダーレスが浸透しつつあり、個人の選択肢を狭めない「選択できる余白」が求められる。

川端珠紀

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