鳥取県湯梨浜町小浜の岩場に漂着したクジラの死骸が7日陸揚げされ、研究者が細胞のサンプルを取り、胸びれを解体した。携わった日本鯨類研究所(東京都)の茂越敏弘研究員によると、ヒゲクジラ類のナガスクジラのオスとみられ、県内漂着は珍しい。調査後に同町内の公有地に埋めて3年前後置き、県立博物館で骨格標本に活用するという。
4月24日に見つかり、体長13.5メートル程度でヒゲクジラ類のニタリクジラか、それに近い種類とみられていた。2週間たち表皮が腐って剥がれ、黄色い脂肪が露出した状態。岩場に漂着していたがその後、波で船着き場近くに移動していた。
建設業者の作業員らが重機やロープを使って陸揚げし、茂越研究員や博物館の一沢圭主幹学芸員らが調べた。8日は胃の中身や精巣などを調べ、生態を知る手がかりとする。茂越研究員は「資源管理に役立てたい」と話した。
処理は県が行う。一連の費用は確定していないが、調査事業として研究所も一部を負担するという。