米インフレ、目標上回る水準で停滞も FRB当局者が指摘

Howard Schneider

[ワシントン 7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者の間で、インフレ鈍化の遅れを受けて政策の引き締め度合いが十分でない可能性を指摘する声が出ている。

ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は7日、堅調な住宅市場や持続的な需要の強さを示す最近のデータを踏まえるとFRBの政策は当局者が考えるほど制約的ではなく、インフレ率は「3%前後で落ち着く」可能性があるとの見解を示した。

総裁は金利を「長期」にわたり現行水準にとどめる必要があると述べた。

FRBの政策金利が少なくとも現時点で十分な役割を果たしていない可能性を示唆し、政策当局者が中立金利を過小評価しているのではないかと疑問を呈した。

住宅ローン金利が比較的高いにもかかわらず、住宅投資は回復していると指摘したほか、他のFRB当局者と同様に第1・四半期国内総生産(GDP)の伸び鈍化は基調的な需要の強さを覆い隠したとの見方を示した。

政策がどの程度制約的かの理解が誤っているとすれば、一連のデータの説明がつくとし、「われわれが今直面している問題は、ディスインフレのプロセスが依然進行中で予想より時間がかかっているだけなのか、それともインフレ率が3%前後で落ち着き、FRBが責務を果たすためにまだやるべきことがあると示唆するかだ」と述べた。

リッチモンド地区連銀のバーキン総裁も6日、インフレとの戦いに終止符を打つには需要への打撃が必要になる可能性が高いとの見方を示した。

インフレ鈍化の進展はFRBの目標を上回る水準で停滞する可能性があり、インフレ率が目標に完全に戻るには「需要をもう少し抑制する必要がある」とした。

インフレに進展が見られない場合の対応は経済全体の需要が引き続き強いか、弱まりつつあるかに左右されると指摘した。

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