パワハラ認定の元町議、「不当」と町を提訴 青森・板柳町

 当時板柳町議だった男性が町職員へのパワハラ行為で厳重注意を受けた問題で、男性が、町に165万円の損害賠償を求め青森地裁五所川原支部に提訴したことが7日、分かった。町が自身の行為をパワハラと認定したのは不当で、名誉権が侵害され、精神的苦痛を受けたなどとしている。

 訴状などによると、元町議の男性は、別の町議が町の女性職員らにセクハラ行為をしているとの情報を受け、2023年8月と9月、被害者と考えられる女性に対し、報道機関の取材を受けるかどうか検討してほしいなどと伝えた。その後、女性からは取材を断りたいとの回答があった。

 同年10月、男性は町議会議長室に呼ばれ、町職員にパワハラを行ったとの報告書が町長から提出されたことを議長に告げられた。男性はパワハラとなるような言動はしていないと説明したが、議長は男性を厳重注意。男性は納得できないとして再調査を求めたが、再調査は行われなかった。

 男性によると、厳重注意の報道を見た当該女性から電話があり「パワハラ(を受けた)とは思っておらず、町の聞き取りにもそう伝えた」と言われたという。男性は7日の取材に、パワハラ行為は何ら行っていないと改めて主張し「就寝しようとすると怒りが湧いてきて眠れず、不眠症になった。法廷の場で真実をあぶり出すしかないと決断した」と語った。

 葛西健人町長は取材に「訴状をまだ詳しく読んでいないので、コメントを控えたい」と述べた。

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