【大人のひとり暮らし】文筆家 ツレヅレハナコさんが家づくりで最もこだわり、予算を割いたのは?[後編]

住まいは暮らしの土台です。今の自分、これからの自分にぴったりくる住まいを見つけた人たちの実例集『大人のひとり暮らし 住まいとお金』から、文筆家 ツレヅレハナコさんの暮らしを2回にわたり紹介しています。後編は、暮らしのこと、そしてお金の話です。

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PROFILE
文筆家
ツレヅレハナコさん
46 歳。出版社勤務を経て独立し、食にまつわる文筆家に。国内外を飛び回り、食の情報や台所道具について発信している。
インスタグラム@ turehana1

暮らしのこと

家を建てたからこそ迎えられた一生もののインテリア家具たち

10 年越しで手に入れた、念願のヴィンテージラグ

家を建てたことで、「ここが終の住み処になるから」と思いきって購入しました。いいお値段だったので悩みましたが、デザインだけでなくその背景にある歴史や文化を家に取り込みたかったのです。西洋民芸の店、グランピエで手に入れました。

住んでからじっくり決めた、一枚板のダイニングテーブル

色が濃く、木目も強いモンキーポッド材の板です。家全体のバランスを見たかったので、入居してから1カ月ほどじっくり考えて選びました。来客が多く、ホームパーティーの機会も多いため、ひとり暮らしにしては大きめです。

つくって、飲んで、仕事して。台所にいる時間が幸せです

スツールを置いているから、ワークトップはテーブルにも変身。夕方は料理をしながら晩酌が始まることも。キャスターワゴンには、台所用のパソコンが。メールなど軽めの仕事は台所ですませられる環境を整えています。

フルオーダーでとことん自分仕様に

広々としたリビングがあるにもかかわらず、朝から寝る直前までほとんど台所にいるというハナコさん。

「家づくりで最もこだわり、予算を割いたので本当に居心地がいいんです。台所で暮らしているようなもの。料理をするときはもちろんですが、何かあるとすぐ台所に来てしまいます」

ちなみに設備は業務用厨房機器の総合メーカー、タニコーのフルオーダーキッチン。

「引き出しの中まですべてステンレスです。キズがつきにくいバイブレーション仕上げで、ステンレスの厚みにもこだわりました。コンロ部分を5㎝低くしたのは、鍋の中をのぞきやすくするためです。長く過ごす場所だから、台所専用のエアコンやスピーカーも設置。床暖房も入っています」

暮らしと心身が整うルーティン。無理なく続けられることだけ選択

掃除はサッと、短時間で。性能と道具にこだわるように

苦手な掃除は、最低限の時間で終わらせたい。マキタのコードレス掃除機は、建築中に棟梁が使っていたものを譲り受けました。気になるところをサッと吸いとれます。台拭きや雑巾は、使用後に台所用漂白剤を薄めた水に浸けておき1日分をまとめて洗濯。タイルはアズマ工業のタイル専用ブラシを使っています。

NO 晩酌デーは宅トレ。体が軽くなっています

以前は毎日お酒を飲んでいましたが、今は週に3日ほど。飲まない日は時間を持て余すようになり、筋トレを始めました。とはいえスポーツジム通いはハードルが高い。YouTubeを見ながら家で取り組んでいます。

1 日分のお茶をつくってポットで持ち歩きます

台所やリビング、書斎と家の中を移動することが多いため、お茶はまとめてつくっておくと便利です。そのために保温ができる、取っ手つきのポットを探しました。保存容器に銘柄のシールを貼ってお茶パックを入れています。

朝いちばんで家じゅうの窓を開け、気を流します

起きたらまず行うルーティンで、その日が始まる合図のようなもの。窓をすべて開けて、南北に風を通します。風が抜けていくのが気持ちいい! 高所にも窓がありますが、開閉専用フック棒を使うのでストレスフリーです。

お金のこと

今はコツコツローンを返す時期。老後のことも少しずつ視野に

ハナコさんの家づくりは、土地探しに2カ月弱、打ち合わせと設計に4カ月強、建築に9カ月。そしてその期間に土地購入、住宅ローン契約などお金が絡む事案も多数発生。家を建てることになって初めて、マネープランをじっくり考えたといいます。

「住宅ローンの借入期間は35年。頭金をしっかり入れたこと、低金利が続いていることを踏まえ、今は繰り上げ返済はせず毎月コツコツ返済しています。なので、完済するころには70歳を超えているかもしれませんね。ローンを背負うことにはなったけれど、月々の返済額は賃貸時代の家賃の半分以下になりました」

一戸建ては、固定資産税のほか外壁などの修繕費用を頭に入れておかなければなりません。築年数が長くなるほど費用もかさんでくるため、貯蓄や資産運用についても以前より深く考えるようになったそう。

両親は健在。でも実家に帰ることや他の誰かと暮らすという選択肢はないそうです。

「ここが終の住み処になる予定。1階にも台所やトイレをつくり、将来は階段を上り下りしなくても暮らせる間取りにしています。それでも、老後はやっぱりマンションがいいと思うかもしれません。そうなったときでも売却しやすい、駅近の便利な土地をそもそも選んでいます。もし私に何かあったら、この家は兄に引き継がれることに。そういう意味では私だけの財産ではなく、家族共有のものだと感じています」

※この記事は『大人のひとり暮らし 住まいとお金』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

※2023年10月19日に配信した記事を再編集しています。


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