結婚応援課の設置1年、出会い提供もカップル成立ゼロ 福井県坂井市、連絡先交換の後が課題

福井県坂井市が結婚応援都市宣言をした「結婚応援フォーラム」=昨年6月、同市三国町のみくに未来ホール

 結婚支援を充実させ、新婚世帯を応援しようと福井県坂井市が結婚応援課をつくり1年が過ぎた。市主催の婚活催しでは機運醸成や出会いの場を提供したが、交際につながったケースは0件だった。市は、連絡先を交換したカップルを継続的にフォローする必要があることが課題として浮かび上がったとし、本年度は市民メンター(助言者)を育成、結婚の不安や悩みに対する個別対応に力を入れていく。

 市への婚姻届の提出件数は、近年では2012年の422件をピークに23年は300件、22年は299件と微減傾向にある。

 市は23年春の当初予算案発表時、人口減社会を見据えて「結婚応援日本一プロジェクト」推進を打ち出した。結婚支援事業は22年度当初比で46倍の1億1418万円。池田禎孝市長は当時、「『結婚するなら坂井市』を推進する」と意気込みを示し、新婚世帯への経済支援に力を入れている。同事業は2年目の24年度も1億3385万円を盛り込んだ。

 昨年6月には「結婚応援都市宣言」をし、全国から募った結婚応援のアイデア実現に取り組む。既に四つの婚活催しを開催。バスツアーや魚釣り、バーベキュー、お菓子を食べながらのお話会に男性52人、女性47人が参加した。男性の応募は多く、3月のお話会には約10人の募集枠に70人の申し込みがあった。いずれの催しも連絡先を交換したカップルはいたが、その後、関係が発展したケースはなかった。

 「イベントをやればいいという訳じゃないが、やらないと課題は見えてこなかった」と同課の高倉尚美課長は振り返る。交際経験のない30代の参加も多く「一人一人に対してサポートしていかないといけない」とその後のケアの必要性を実感する。

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