日経平均は反落、前日高の反動売り トヨタ決算は強弱拮抗

Noriyuki Hirata

[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比632円73銭安の3万8202円37銭と反落して取引を終えた。米国株の上昇が一服となる中、前日の株高の反動で利益確定売りが優勢となった。半導体関連など指数寄与度の高い銘柄の下落が下押しに作用した。午後に発表されたトヨタ自動車の決算では、強弱の思惑が拮抗した。

日経平均は157円安で寄り付いた後も、徐々に下げ幅を拡大した。米国市場で米フィラデルフィア半導体指数(SOX)が下落し、前日の上昇をけん引した半導体関連株が総じて弱かった。利益確定売りが優勢となり、前日の上昇分を返上した。朝方に25日移動平均線(3万8692円34銭=8日)で上値を抑えられたことが売りを誘ったとの声もあった。

後場に一段と売られ、指数は一時675円25銭安の3万8159円85銭に下落した。午後のトヨタ決算を控えて、保守的な見通しが示されるリスクが警戒された。円安基調に戻りつつあるドル/円が155円台を回復し、為替介入への警戒感もくすぶった。

トヨタの決算では、今期の連結営業利益で2割減の予想が示され、発表直後に売りが先行した。一方、総額1兆円を上限とする自社株買いなどの株主還元策も発表し、株価はプラスに浮上する場面もあり強弱の思惑が入り混じった。日経平均の値動きへの波及は限定的だった。

市場では「決算シーズンが進んでいるが、今のところ日経平均を割安にするほど1株当たり利益(EPS)は高まっていない。株価に企業業績がついてきていない状況に変わりはなく、一段の上値を追うには材料が足りない」(三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長)との声が聞かれた。

大型株の東証プライム指数の下げが大きかったのに対し、新興株の東証グロース指数の下げは小幅にとどまりプラスに転じる場面もあった。「物色意欲はそれなりにありそうだ。当面は3万8000円台での値固めではないか」(北沢氏)との見方があった。

TOPIXは1.45%安の2706.43ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.45%安の1392.94ポイントだった。プライム市場の売買代金は4兆6972億8400万円だった。東証33業種では、値上がりは海運とパルプ・紙の2業種で、値下がりはその他製品やガラス・土石製品、保険など31業種だった。

市場予想を下回る見通しを示した任天堂や三菱重工業は軟調。東京エレクトロンなど半導体関連株は弱い銘柄が目立った。指数寄与度の高いファーストリテイリングはさえなかった。一方、株主還元が好感された日本郵船は堅調だった。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.22%安の654.89ポイントと小幅に反落した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが466銘柄(28%)、値下がりは1130銘柄(68%)、変わらずは55銘柄(3%)だった。

終値 前日比 寄り付き 安値/高値

日経平均 38202.37 -632.73 38677.57 38,159.85─38,749.35

TOPIX 2706.43 -39.79 2735.14 2,706.43─2,740.15

プライム市場指数 1392.94 -20.47 1408.96 1,392.94─1,410.19

スタンダード市場指数 1251.07 -6.45 1255.07 1,251.07─1,257.65

グロース市場指数 839.00 -1.73 838.40 837.00─850.90

グロース250指数 654.89 -1.42 654.03 652.92─665.01

東証出来高(万株) 169499 東証売買代金(億円) 46972.84

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