東和銀行の行員自殺 「パワハラ」労災認定 埼玉・川越労働基準監督署

 東和銀行(群馬県前橋市)の男性行員=当時(25)=が2017年に自殺し、埼玉県の川越労働基準監督署が労災と認定していたことが7日、遺族側への取材で分かった。遺族側によると、労基署は上司からの日常的なパワーハラスメントがあったことや、相談しにくい職場での未経験業務で精神的に追い込まれていたことを認めた。

 遺族の代理人弁護士によると、亡くなった男性は同年4月1日に川越支店(埼玉県川越市)の法人渉外課に異動。法人営業を初めて担当し、上司から「数字が上がらない」「稟議(りんぎ)書作成が遅い、下手」などと度を超えた叱責(しっせき)を他行員の前で受けた。5月ごろには前任者も対応に苦慮していた顧客から無理な注文を受け、対応できない状態となっていた。同31日に出社せず、死亡した。

 労基署は男性が適応障害を発病したと認め、複合的な要因から強い心理的負荷があったと判断したという。労災認定は昨年8月10日付。遺族は弁護士を通じて「命を落とすまで数字を追わせるのでしょうか。そんな組織を変えてほしい」とのコメントを出した。

 東和銀行は上毛新聞の取材に対して「行員が亡くなり、大変残念なことだと受け止めている。ご遺族から連絡があれば、真摯(しんし)に対応する」とコメントした。

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