伊藤環境相が水俣病被害者懇談での〝マイク切り〟を涙ながらに謝罪 野党は一斉追及

伊藤信太郎環境相

伊藤信太郎環境相は8日、同省が水俣病被害者たちとの懇談会でマイクのスイッチを切った問題で涙を流し謝罪した。

この問題は1日に熊本県水俣市で開かれた懇親会で、被害者らが苦しい実情を伊藤氏に訴えている途中、同省が3分の持ち時間を過ぎたとの理由でマイクのスイッチを切ったとされる。

伊藤氏はこの日、報道陣の取材に「(被害者の)発言途中でマイクを切るというのは大変遺憾だ。深い反省のうえに立ってみなさまに寄り添っていく。環境省の大臣としてこのことがいかに大切に思っているかということをお伝えしたいと思います」とコメント。

永田町関係者によると「伊藤氏は水俣市に赴いて被害者たちに直接謝罪する意向を示しました。マイクのスイッチを切った同省事務次官、担当部長は厳重注意にしています」と話す。

立憲民主党の安住淳国対委員長は同問題について「ちょっと人の道に反するよ、あれは。絶対にやっちゃいけないことなんだ。権力を持っている側があんなことをやるっていうのは、絶対許されないことだから」とした上で「大変な憤りを感じる。環境省がやっているのは聞く耳を持つ内閣のやることか」とした。

立憲の小沢一郎衆院議員も事務所のXで「批判されたからひとまず反省したふりを見せに行くだけ。部下がマイクの電源を切ったのを知りながら、『自分は知らない』でさったと帰った人物。自民党は変わらない。謝罪ではなく即刻辞任すべき」と指弾した。

日本維新の会・藤田文武幹事長は会見のなかで「都合が悪そうなことがあるから(マイクのスイッチを)切ったとすれば良くないことだ」と語った。

一方、林芳正官房長官は伊藤氏の進退について「引き続き職責をしっかり果たしてほしい」と述べたという。

野党側は国会で同問題を取り上げ厳しく追及する構えだ。

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