ロシア、ウクライナのエネルギー施設に大規模攻撃 停電発生

Gleb Garanich Anastasiia Malenko Anastasiia Malenko

[キーウ 8日 ロイター] - ロシア軍は8日、10カ所以上のウクライナのエネルギー施設に対して、ミサイルやドローン(無人機)による大規模な攻撃を実施した。旧ソビエト時代の火力発電所3カ所に深刻な被害が出、複数の地域で停電が発生した。ウクライナ当局が明らかにした。

ウクライナ空軍は、この攻撃で使用されたミサイル55発中39発、ドローン21機中20機を撃墜したと発表した。

ハルシチェンコ・エネルギー相は通信アプリ「テレグラム」に「再びエネルギー産業に対する大規模な攻撃があった」と投稿。

ポルタワ州、キロボフラード州、ザポロジエ州、リビウ州、イワノフランコフスク州、ビンニツァ州の発電・送電施設が標的となったことを明らかにした。

クリメンコ内相によると、キーウ州で2人、キロボフラード州で1人が負傷した。エネルギー施設のほか、住宅30戸、公共交通機関、自動車、消防署が被害を受けた。

ウクライナ国営送電会社ウクレネルゴは、9つの地域で消費者向けの電力削減を余儀なくされ、企業向けには午後11時(2000GMT、日本時間9日午前5時)までの夜のピーク時間帯に全国的に拡大すると発表した。

ボロディミル・クドリツキー最高経営責任者(CEO)は、現地メディア「ウクライナ・プラウダ」のインタビューで、輸入では電力不足を補えないと指摘した。

ロシアは3月から重要なエネルギー施設に対する攻撃を実施している。攻撃を受けた一部の地域ではすでに計画停電を余儀なくされているが、本格的な影響は電力需要が高まる夏季と冬季に現れるとみられている。

ロシア国防省は、ウクライナがロシアのエネルギー施設を攻撃したことへの報復として、軍産複合体とエネルギー施設を攻撃したと発表。

「攻撃の結果、ウクライナの軍事製品の生産能力、西側の武器や軍事装備の前線への移送能力は著しく低下した」とした。

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