南アメリカのアンデス地方に伝わる器などを通じて地域の文化にふれる企画展が、天理大学附属天理参考館で開かれています。
幾何学模様が印象的な鉢。中央に並んだ丸い模様は、古代アンデスで広く信仰されたジャガーの斑点模様を表しているとされます。
また、ペルー南部地域を代表するケロと呼ばれる器は、とうもろこしの酒を注ぎ、儀礼で使われていたとみられます。
ナスカの土器に描かれる首級と呼ばれる模様は、農業の儀礼で神に捧げた人の頭がデザインされたものといいます。
企画展では、古代からアンデス地方に伝わる器と、古美術の需要が高まるなか、現代に流通する贋作も展示しており、天理参考館では文化財を取り巻く現代社会の問題点も感じてもらえればとしています。
また、山形大学のナスカ研究所と附属博物館による研究成果を示したパネルの展示や、上空から撮影した写真のマットでナスカの地上絵を探すコーナーもあります。
2024年は、ペルーの独立が確立してから200年にあたり、それを記念したPR動画も上映されるなど、催しはこの地域の文化に様々な角度から触れられます。
この企画展は、6月3日まで開かれています。