ストライク率は驚異の75.2%! 4勝目を挙げた山本由伸の精密機械のような制球力に米熱視線「さりげなく初回から…」

まるで精密機械のようなコントロールに熱い視線が注がれている。

ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸が現地5月7日、マイアミ・マーリンズ戦に先発登板し、自己最長となる8回を投げ、5安打5奪三振2失点の好投。打線の援護も受けて自身3連勝、本拠地初勝利となる4勝目を挙げた。

山本は初回の先頭打者にホームランを浴び、16イニングぶりの失点を喫する。6回にも一発を打たれ、メジャー自己ワーストとなる1試合2被弾となった。それでも味方の大量得点を背にストライク先行のピッチングでゴロとフライの山を築き、メジャー自己最長となる7イニング目も三者凡退。84球の省エネ投球でゼロに抑えた。

8回も日本人右腕は続投。1アウト後に安打を許したが、最後は6回にホームランを献上したブライアン・デラクルーズを渾身の152キロの直球で空振り。5個目の三振を奪うと、球場は大歓声に包まれた。

メジャー初のハイクオリティ・スタート(7イニング以上、2失点以下)を達成した日本人右腕をデーブ・ロバーツ監督は笑顔で迎え入れ、労いの抱擁をかわすと、その後は「2番・指名打者」で先発出場した大谷翔平とも笑顔で見つめ合った。
韓国での初回5失点KOの悪夢から完全に立ち直り、3年連続沢村賞を受賞した本領を発揮しつつある山本。日本人ルーキーの快投には米メディアも注視している。

ドジャースのあらゆる情報を日夜配信している専門メディア『Dodger Insider』は、山本がマーリンズ戦で記録したストライク率75.2%という驚異的な制球力の良さに注目。「ヨシノブ・ヤマモトが、さりげなく初回から19連続ストライクで試合を開始した」とX(旧ツイッター)に報告。テンポの良い投球に目を奪われた。

また、MLB公式のデータ分析『MLB Stats』によると、2000年にピッチトラッキングデータが開始されて以来、ドジャースの投手でこの記録を達成したのは山本が史上初の選手だと報告。名門球団の歴史に日本人右腕が、新たな1ページを刻んだと称えている。

山本は試合後、「テンポ良く投げられたので、長いイニングを投げられたことにつながったと思う。そういう投球を(今後も)続けていけるようにしたい」とコメント。ストライク率が75%だったことを指摘されると、「しっかり自分のピッチングができてきているのは自信になります。また次の試合に向けて、確認するポイントを冷静に整理して迎えられたら」と話し、確かな手応えを胸に次戦も勝利を誓っている。

構成●THE DIGEST編集部

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