【韓国】クーパンの1Q営業益、競争激化で6割減[商業]

韓国電子商取引(EC)大手のクーパンが8日発表した2024年1~3月期の営業利益は4,000万米ドル(約62億円)と、前年同期比63%減少した。中国系の越境ECサービスの台頭で国内のEC市場の競争が激化しており、大幅な営業減益となった。

当期純損失は2,400万米ドルを計上し、22年4~6月期以来の赤字に転落した。中国系ECの攻勢に対応するための商品・物流インフラ投資や、高級ファッションECの英ファーフェッチの買収などで収益性が悪化した。

売上高は23%増の71億1,400万米ドルだった。売上高を事業別に見ると、独自の配送網を活用した「ロケット配送」や生鮮食品専門の「ロケットフレッシュ」など中核事業となるEC事業は15%増の64億9,400万米ドルとなった。ファーフェッチやフードデリバリーサービス「クーパンイーツ」、海外事業(台湾)などの新事業は6億2,000万米ドルで、前年同期の4.4倍となった。このうちファーフェッチの売り上げは2億8,800万米ドル。

クーパンの商品を1度でも購入したことのある顧客(クーパンイーツのみの顧客除く)は前年同期比16%増の2,150万人、客単価は3%増の315米ドルだった。

■物流部門への投資継続

同社は中国系に対抗するため物流部門への投資を継続して行い、より迅速な配送を可能にするほか、島しょ部や山間部への無料配送も拡大する。国内の中小メーカーの商品も迅速配送を通じて配送するなど、国産製品の拡販にも力を入れる計画だ。

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