トラック時速90キロ近くで走行か ドラレコに「なんでぶつかったんだ」の声 群馬・伊勢崎市の家族3人死亡事故

 群馬県伊勢崎市境上矢島の国道17号上武道路で6日、トラックが対向車線に突っ込みワゴン車の親子3人が死亡した事故で、トラックが所属する運送会社は8日、事故時に時速90キロ近くで走行し、法定速度(60キロ)を超過していた可能性があると明らかにした。現場手前の交差点でふらつき、中央分離帯の段差に右前輪を乗り上げて走った後、対向車線に入ったという。

 トラックを運転していた男性(69)=吉岡町=が勤める運送会社(前橋市)の男性社長によると、車両の運行記録計(タコグラフ)が90キロ近くを示していた。速さを90キロにとどめるリミッター(速度抑制装置)があり、実質的な最高速度とみられる。

 また、社長が警察官と確認したドライブレコーダーの映像では、事故に至るまで男性運転手の意識ははっきりしていたという。何らかの理由でふらついたトラックの右前輪が中央分離帯に乗り上げた際、男性運転手が「なんでぶつかったんだ」と声を発していた。車体は小刻みに左右に振られ、ハンドル操作では制御できない様子になり、対向車線へ突っ込んだとした。

 対向のワゴン車は片側2車線の右車線を走っていて、迫るトラックに気付いて左車線へ回避しようとした姿も映っていたという。県警はドライブレコーダーなどを分析し、詳しい事故原因を調べている。

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