横浜市/盛土規制で市内全域を対象候補区域に、崖崩れ・土砂流出など未然防止

横浜市は盛土規制法の適用に向け、市内全域を「宅地造成等工事規制区域」の候補区域に指定する。市内全域に車両などで土砂が持ち込まれる可能性のある道路が存在するため、全域を規制対象とすることで盛り土などによる崖崩れや土砂流出を未然に防止する。計画の周知方法などの手続きを追加するための条例変更などを経て、2025年4月1日の指定公示を目指す。
1962年7月に指定した現行の旧宅地造成等規制法に基づく「宅地造成工事規制区域」は、市域の約62%を対象としている。23年5月施行の盛土規制法を受けて「宅地造成等工事規制区域」を市内全域に拡大する。これまでの宅地造成に加え▽農地、採草牧草地または森林の造成▽一時的な土石の堆積-にも市長の許可が必要になる。同区域を除いて指定する「特定盛土等規制区域」と「造成宅地防災区域」は指定しない予定。
大規模な宅地造成などでは事業者に土地所有者の同意と周辺住民への事前周知を求めている。周知が円滑に行われるよう「横浜市開発事業の調整等に関する条例」に周知方法などの手続きを追加する。改正案では盛土規制法の許可が必要なすべての行為を条例適用対象とし、周知方法を一元化する。市は条例改正骨子案に対する一般意見の募集を4月17日に始めた。
神奈川県内では横浜、川崎、相模原の3政令市と中核市の横須賀市が独自の規制対象区域を設定する。それ以外の市町村部を県が設定する。県は4月25日に候補区域を公表した。川崎、相模原、横須賀の3市は調査・検討を進めており、いずれも国が求める25年5月までの指定公示を予定している。

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