「くっさ、めっちゃくさい」カメムシ残念ながら今年も大量発生のおそれ 農家は特に注意、梨対策は「小袋かけ・摘果なるべく早く」

農作物に被害を及ぼし悪臭も放つカメムシ。去年大量発生しうんざりした人も多いのではないでしょうか?
こうした中、鳥取県の調査で過去最高数のカメムシが越冬してしまったことが判明。どうやら今年も大量発生が予想されそうです。

これは去年秋、鳥取県日南町にあるとあるお宅で撮影された写真。ちりとりの中に入っている、一見枯れ葉のようなもの…実は、これら全て「カメムシ」です。

また、家の中でも…

「いっぱいおるわ、くっさ、めっちゃくさいな」

そしてこちらは、窓にびっしり。その数50匹以上です。

「おるおる気持ちわる」

家の外、中に関わらず、大量発生したカメムシ。

農業へも深刻な被害をもたらしました。
南部町の田んぼではイネカメムシの影響で収穫量は、前の年と比べ3割減少しました。町によると、8割減ったという農家もあったということです。

悪臭を放つこともあり厄介者として扱われるカメムシ。去年はなぜ大量発生したのでしょうか?

鳥取県園芸試験場 戸板重則 主任研究員
「近年、暖冬や地球の温暖化が言われておりますが、カメムシが越冬する際に、冬の気温があまり低くないために、冬の間に凍死しないということがあり、春まで生き残ってしまうということが続いていると思います。これがだんだんと増えてきている原因だと思います」

暖冬の影響。通常カメムシは、冬の寒さで死んでしまうのですが、暖冬傾向のため冬を越す個体が多くなっていると言います。そして、さらにその個体が春に卵を産み増えていくのです。

では、気になる今年は?

鳥取県園芸試験場 戸板重則 主任研究員
「平年よりも多いということと、発生時期も4月の上旬の調査でしたので早いということになります」

残念ながら、この冬は暖冬だったため、今年も大量発生が予想されるとのこと。

去年12月に鳥取県が行った調査では県内10地点で確認されたクサギカメムシの越冬した成虫の平均観測数が、平年の3倍以上となる26.3匹となりました。ここ数年では断トツ、過去最高の数です。

そして、先月1日から始めたフェロモンでカメムシをおびき寄せるトラップ調査では、先月16日現在で平年の0.2匹を大きく上回る3匹のチャバネアオカメムシが捕獲されました。

これらの結果を受け、県では先月17日、病害虫発生予察注意報を発令。いまの時期は特にナシ農家へ注意を呼び掛けています。

鳥取県園芸試験場 戸板重則 主任研究員
「追加防除という形で特別に防除を行っていただくということで、防いでいただくようにお願いしていますことと、摘果はなるべく早くやっていただいて、なるべく早く小袋かけをしていただくように、手早く作業していただくということが対策になると思います」

大量の"くさいアイツ"に悩まされる日々が再びやって来る…。県では、暖冬が続く限りカメムシの増加傾向は今後も止まらないとみています。

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