会社員の生涯年収はどのくらいですか? 今のような安月給で「人生で必要なお金」を賄えるのでしょうか?

会社員の生涯年収はどのくらい?

(独)労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計 労働統計加工指標集 2023」では、会社員の生涯年収について、図表1のように伝えています。

【図表1】

※労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2023 労働統計加工指標集 2023」より筆者作成

また、会社員の生涯賃金は企業規模によっても異なります。大学卒で企業規模1000人以上、定年までの場合は2億8750万円なのに対し、企業規模10~99人では1億9850円とのことです。

大学卒で退職金と定年以降を含む場合、男性は企業規模10~99人が2億6150万円で、企業規模1000人以上になると3億6520万円です。女性は企業規模10~99人で2億1070万円、企業規模1000人以上で2億8870万円というように、企業規模によって生涯賃金に差があることが分かります。

人生でお金がかかるのは「教育」「住宅」「老後」などの費用

人生のなかで、教育、住宅、老後などの費用がかかります。金融広報中央委員会「知るぽると」の「大学生のための人生とお金の知恵」で伝えている、教育、住宅、老後にかかる費用は以下のとおりです。

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・教育:高校卒業までにかかる教育費は公立が2000万円台半ば、私立が3000万円台半ば。大学4年間にかかる教育費は、国立が600万円弱(自宅生)、私立が1000万円強(自宅外生)__

・住宅:3000万円台から5000万円台(一戸建て、マンションともに)

・老後:生活費を月額20万円とする場合は6000万円、月額25万円なら7500万円、月額30万円なら9000万円(65~90歳までの25年間)

実際にどのような選択をするのかによってかかる費用は異なりますが、教育・住宅・老後にかかる費用だけで1億円を超えることは想定しておくとよいでしょう。

二人以上の勤労者世帯の消費支出と実収入

総務省の「家計調査報告 2024年(令和6年)2月分」によると、二人以上の勤労者世帯の消費支出は30万7765円、実収入は、1世帯当たり56万1495円とのことです。

毎月の消費支出を考慮し、そのうえで教育、住宅、老後などの費用を工面しなければなりません。世帯の人員によって消費支出や実収入に違いはありますが、人生で必要なお金を用意するための対策を講じておく必要性が高いでしょう。

人生で必要なお金を用意するための対策

人生で必要なお金は1億円以上かかるため「安月給で必要なお金を用意できていなかった」とならないように、早いうちから貯めておくと安心でしょう。人生で必要なお金を用意するための対策の一例は、以下のとおりです。

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・具体的な目標を設定して先取り貯金を行う
・家計を管理して無駄な支出を減らす
・昇給や年収の高い職種への転職、副業などで収入を増やす
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なお、固定費や食費などの支払いをクレジットカードで行えば、利用金額に応じたポイントが貯まります。

貯めたポイントは、クレジットカードの支払金額に充当したり、航空マイルや他社ポイントと交換したりすることも可能です。ポイント還元率の高いクレジットカードを使えば、毎月の節約効果がより高くなるでしょう。

人生で必要なお金を賄うための対策を早めに検討しよう

人生のなかで必要なお金は、生活費だけではありません。教育や住宅、老後というようにまとまったお金を必要とするタイミングが存在します。世帯の人員や、自分以外の家族が働いているかどうかなどによって、これらのお金を確実に工面できるかどうか分からないところです。

会社員の生涯年収だけ確認しても、人生で必要なお金を賄えるかどうかは分からないでしょう。自分のライフプランを検討し、安月給の状態に不安を感じる場合は、昇給や転職をする、副業で収入を増やすのも効果的な方法です。

その他にも、貯金ができるように家計管理をするなどの心掛けも行ってみてください。

出典

独立行政法人労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計 労働統計加工指標集 2023
金融広報中央委員会 知るぽると 大学生のための人生とお金の知恵 I. 人生のデザインとお金
総務省 家計調査報告 2024年(令和6年)2月分

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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