オーストラリアと中国でのペナルティ裁定に不満のアロンソ。FIAのスペイン人に対する偏見を非難

 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、F1第3戦オーストラリアGPと第5戦中国GPでペナルティを科されたことを受け、F1のスチュワードはスペイン人ドライバーに対して偏見を持っていると非難した。

 オーストラリアGPでは、アロンソは最後から2周目に起きたジョージ・ラッセル(メルセデス)のクラッシュに関与したとしてレース後にペナルティを受けた。その後中国GPでは、スプリントレースの終盤にカルロス・サインツ(フェラーリ)とのインシデントを引き起こしたとみなされ、アロンソは再びペナルティを科された。

 この2件の裁定において、スチュワードから選び出されたと感じているかと問われると、アロンソは明らかに腹を立てた様子で「問題は僕の国籍がよくないからかもしれない。僕はイギリス人ではないからね!」と答えた。その後、アロンソは激しい調子で「二重基準がある。僕は普通のレースの状況でペナルティを科されるのに、他のドライバーはもっと大きな問題を起こしてもせいぜい叱責しか受けない」とFIAを非難した。

 アロンソはFIAのモハメド・ビン・スライエム会長と話をすると明言し、次のように主張した。

「国籍にもとづく偏見がないという保証を求める。このスポーツでは、イギリス人であればスペイン人の僕よりも多くのことが許されるのは明らかだ。だから、将来のスペイン人ドライバーの世代を守り、彼らがFIAに公平かつ平等に扱われるようにするのは僕の責任だ」

 しかし、サインツが同様にペナルティを受けていないのはなぜかと質問されると、アロンソは「彼はスペイン人ではなく、ヨーロッパ人だ……」と非常に奇妙な答えを返した。

 中国GPの決勝レースのグリッドでアロンソがビン・スライエムと行った非常に活発な議論は、マイアミでの別の会合へとつながった。FIA会長と長時間話し合った結果、アロンソはマイアミでは以前よりずっと柔軟な態度になっており、FIA会長を称賛して次のように語った。

「彼は常にドライバーたちの意見に耳を傾けてくれる。彼はマシンをドライブしているのが僕たちであり、僕たちが物事を提案できるということを理解している。スポーツとして取り組む必要がある点がいくつかある。そして彼はいつも僕たちの話を聞いてくれた。こうしたことについて、F1をより素晴らしいスポーツにし、あと少しの一貫性を持たせられるかどうか見ていくとしよう」

2024年F1第6戦マイアミGP モハメド・ビン・スライエムFIA会長

 最近いくつかのインシデントに関わったサインツは、アロンソが戦っている戦いに巻き込まれることを望んでおらず、次のように語った。

「僕は国籍についてはコメントしない。一貫性と矛盾についてだけだ」

 サインツは、マイアミGPの決勝レース中にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を追い抜いた際に軽く接触したが、レース後にペナルティを受けるとは予想していなかった。

「オスカー・ピアストリが昨日、ケビン・マグヌッセン(ハース)のようなことをしたのには驚いた。マグヌッセンが何回ペナルティを受けたのか知らないが、彼は何のペナルティも科されなかったし、僕にポジションを返さなかった。もしそのようにするのであれば、僕はそれに挑もうと考えた。そして実際にそうした」

2024年F1第6戦F1マイアミGP カルロス・サインツ(フェラーリ)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)

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