武雄市お結び課・成婚数は過去最多 20代女性の登録が増加 ワークバランスの変化が影響 利便性向上で県外登録者も増

お見合いや面談のセッティングに追われる武雄市お結び課の職員。2023年度は過去最多の成婚数となった。事務局は5月1日から市民サービスセンター山内に移転している=武雄市

 婚活をする男女をサポートする武雄市お結び課の2023年度の取り組みがまとまり、成婚数が17組34人と過去最高になった。2桁台は21年度に続き2回目で、同課によると「コロナ禍の影響で集団イベントは開かなくなったが、お見合いを丁寧にセッティングするなどの対応が実を結んだ」と話している。

 市お結び課は2010年開設。結婚を希望する独身男女が会員として登録し、担当職員との面談を重ねてお見合いを行う。市外在住でも武雄市内でのお見合いに来ることができる人は登録でき、年齢制限はない。登録者は4月24日現在で376人。男性214人、女性162人で、88人が交際中という。23年度の成婚者の平均年齢は男女ともに33歳だった。

 最近は20代の女性と、福岡や長崎など県外在住者からの登録が増えている。

 20代女性の登録者は開設当初は1桁台だったが、22年度が19人、23年度は24人で、本年度はすでに13人となっている。背景には、企業の産休・育休制度の充実や、子育て環境の整備などが考えられ、同課も「ある程度キャリアを積んでから結婚・出産を考える女性が多かったが、ワークバランスの変化で結婚・出産後でもキャリアアップが可能なため結婚を考える女性が増えたのでは」と分析する。

 県外登録者は福岡が34人(前年13人)、長崎が19人(前年15人)といずれも伸びており、東京からの登録者もいる。西九州新幹線の開業で武雄の利便性が向上したことや、お結び課の実績をメディアなどで知ったことが主な理由だが、民間の結婚相談所やマッチングアプリなどを利用しても、いい出会いがなかったという理由もあった。

 今後の取り組みについて森一也課長は「県外登録者に対しては成婚後、武雄市に移住定住してもらえるように支援を続けたい」とし、「事実婚や別居婚、夫婦別姓などに悩み結婚に踏み切れないケースも考えられるので、当事者に寄り添った対応をしていきたい」と話している。(澤登滋)

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