シーズン初戦の先発起用は「チームが決めること」とコマンダース新人QBダニエルズ

ルイジアナ州立大学のジェイデン・ダニエルズ【NFL】

ワシントン・コマンダースは新時代におけるフランチャイズの顔として、クオーターバック(QB)ジェイデン・ダニエルズを2024年NFLドラフト全体2位で指名した。

ハイズマントロフィーを受賞したダニエルズはドラフト全体5位以内で指名されたほとんどの選手と同様に、キャリアを開始したその年に先発を務めることが期待されているが、ダニエルズはポッドキャスト『All Facts No Brakes(オール・ファクツ・ノー・ブレークス)』でホストを務めるキーショーン・ジョンソンに対し、詳細については気にしていないと明かした。

「(シーズン第1週に先発することを)予想しているかって? 自分の能力には自信があるけど、それは彼らが決めることだ。俺にはどうしようもない」とダニエルズは話している。

ジョンソンにさらに踏み込まれると、ダニエルズはこうつけ加えた。「俺の準備ができたときに準備が整うと彼らが言ったのは聞いた。だから、準備ができたと俺が感じたときに準備が整ったことになる」

「“君はシーズン第1週に先発しなきゃいけない”とは言われていない。彼らはただ、“君の準備ができたときがそのときだ。準備が整ったと君が感じたら、私たちもそうだと感じるし、試合に出すつもりだ”と言っただけ」

このルーキーは賢明にも、謙虚な救世主を演じている。よほどのことがない限り、ダニエルズはシーズン第1週からスタメンに名を連ねるはずだ。

23歳のダニエルズはサイドラインで過ごす時間が必要な、経験の少ない未熟なルーキーではない。ダニエルズはアリゾナ州立大学とルイジアナ州立大学(LSU)で過ごした5シーズンで55試合に先発出場し、1万2,750ヤード、タッチダウン89回を記録している。カレッジレベルで十分な経験を積んだダニエルズは最初から先発を務められる即戦力だ。

すぐに本格始動できる能力は、コマンダースがダイナミックなデュアルスレットQBの獲得に向かった要因の1つだったのだろう。新人クオーターバックを迎えて新体制をスタートさせることには成長痛がつきものだが、それはダニエルズがフィールドに立ったときに生じるはずだ。

この数シーズンで苦戦していたにもかかわらず、マーカス・マリオタを主なバックアップとして採用したのも、コマンダースがドラフトで指名した新人QBを先発させる計画を立てていたことを示していた。

ダニエルズにとってより重要な問題は、先発するかどうかではなく、攻撃コーディネーター(OC)クリフ・キングスベリーのシステムに早くなじむことだ。

ダニエルズは新しいオフェンスについて「プレーブックを学んで、振り返って、見てみるだけでも、エアレイド(オフェンス)とは違う」と語っている。

「1試合で50回もボールを投げるつもりはない。バランスをとらなきゃいけないんだ」

「クリフについて1つ言っておくと、クリフはオープンマインドだ。彼は“それが私のやり方だ。あれやこれをしなきゃいけない”と言うようなOCじゃない。会話をするとなれば“君は何が好きだ? どうすればチームをより良くできる?”という話になる。俺たちはお互いにアイデアを出し合っているんだ。正直、俺は彼のスキームを気に入っている。俺に合っているし、当然、人は時代とともに進化していかなきゃいけないものだ。今はバランスをとって、ディフェンスを素直な状態に保つ必要がある。特に、あれだけのアスリートがいる場合はね」

キングスベリーOCの質問は、シーズン第1週に先発する見込みのない新人クオーターバックに尋ねるような内容に聞こえるだろうか。いや、聞こえないだろう。

【RA】

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