湘南龍拳大橋波月さん ランク戦でTKO勝利 ライトフライ級8位に 平塚市

左フックを放つ大橋さん(本人提供)

湘南龍拳ボクシングフィットネスジム(川端龍也会長)所属の大橋波月さん(25・幸町)=人物風土記で紹介=が、4月14日に大阪府で行われたライトフライ級ランキングマッチで日本8位の松江琉翔選手に5回TKO勝ちした。戦績を8勝(6KO)3敗1分とし、最新のランキングで8位にランクインした。

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メイン試合の直前、セミファイナルとして開催された8ラウンド制のランキングマッチ。大橋さんは去年夏、4年半ぶりに復帰し今年1月にA級昇格。初戦としてこの試合を迎えたが、当日は不安もなく「どこまでいけるか楽しみだった」と振り返る。

自分の土俵に引きずり込むことが勝機と、果敢に攻めて出る大橋さん。相手はペースにのまれてジャブすら打てず、大振りのパンチが目立ってきた。2ラウンド終了間際にカウンターの右フックで先制ダウンを奪うと、相手の焦りがさらに顕著に。大橋さんは終始冷静に試合を進め有効打を蓄積。5ラウンド目に入ると、カウンターのワンツーで左フックが相手の顎を捉える。さらに畳みかけるつもりで距離を詰めると、相手はすでにマットに沈んでいた。

大橋さんは「勝った瞬間は喜びよりも解放感を感じた」と振り返る。

不死鳥のごとく返り咲き恩師、戦友の支えで再起

大橋さんは勝利を収めた直後、セコンドとしてリング入りしていた川端龍也会長と抱き合い、お互い涙を流して喜び合った。大橋さんは試合を振り返って、「会長や周囲への感謝とその気持ちに応えたい一心だった」と話す。

大橋さんは小学3年でボクシングを始め、川端会長と出会った。天性のセンスを発揮して技術もぐんぐん上達し、17歳でプロテストに合格するまでになった。

プロデビューから3連勝を重ね、「当時は天狗になってしまっていた」。しかし、練習不足がたたってか、4戦目で初の黒星。その後も安定した結果を残せずスランプに突入し、20歳で引退を決意した。

戦友に触発され

同年代の若者に流されて、無為な時間を過ごしていた大橋さん。そんな時、同じジムの幼なじみ・五十嵐春輝さんが東日本新人王決定戦で新人王に輝いた。会場で試合を観戦していた大橋さんは、「やっぱり頑張っている人はカッコいい。自分ももう一度輝きたい」とボクサー魂に再び火が付いた。

昨年8月に復帰すると、4年半のブランク期間を取り戻すのに苦労したというが、「川端会長は120%の気持ちで応援してくれた。この”第2のおやじ”がいなければ自分はいなかった」と語る。

今回の勝利により、日本ボクシングコミッションが4月23日に発表した日本ランキングでライトフライ級8位となった大橋さん。周囲への感謝を噛み締めながら、さらなる高みを目指す。

川端会長(左)と大橋選手=本人提供

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