福島市出身の大相撲「大波3兄弟」が最終調整

夏場所に向け、「左四つで組む相撲で成績を残す」と意気込む若元春

 12日に初日を迎える大相撲夏場所(東京・両国国技館)に向け、福島市出身の「大波3兄弟」次男の関脇若元春(30)=本名・大波港=、三男の十両若隆景(29)=本名・大波渥=、長男の幕下若隆元(32)=本名・大波渡=は8日、都内の荒汐部屋などで最終調整に臨んだ。6月に福島合宿を控え、若元春は「良い成績を残して福島に戻れるよう、やれることをしっかりやる」と意気込みを語った。

 若元春は7日に時津風一門の連合稽古で大関霧島、8日に錣山部屋への出稽古で関脇阿炎ら上位陣との取組を重ねた。春巡業中に腰を痛めて激しい稽古ができない期間があったが、現在は回復。「今は良い感じで調整できている」と本番に向けて状態を上げている。

 東関脇と大関に最も近い位置にいる。「今場所は前に出てしっかり左で組む、自分が取りたい相撲を貫きたい」。大関昇進に向けた足場固めの場所とすべく、内容にもこだわる覚悟を示した。

 若隆景は荒汐部屋で四股(しこ)やテッポウなど、一つ一つの動作をじっくりと確認するように稽古に汗を流した。昨年の春場所で負傷した右膝の状態は日に日に改善しており、現在では毎日稽古ができるほどに回復した。

 関取に復帰した先場所は初日から7連勝と力を見せたが、10日目以降は1勝5敗と苦しんだ。15日間を戦い抜くために膝への負担を軽減する戦術が重要となる。「下からの攻め、前に出る相撲を徹底したい」と力を込めた。

 若隆元は若手とのぶつかり稽古を精力的にこなした。先場所は6勝1敗の好成績で終え、西幕下17枚目で夏場所に臨む。「一番一番、稽古通りの力を出せるよう落ち着いた相撲をしたい」と語った。

 須賀川市出身の白熊(24)=本名・高橋優太、二所ノ関部屋=は東十両6枚目で臨む。先場所はけがの影響で休場もあり、7勝6敗2休の成績だった。十両昇進後初めて番付を下げた今場所での巻き返しを期している。

夏場所前の最終調整で、若手力士のぶつかり稽古の相手をする若隆景
朝稽古で激しい取組を見せる若隆元(右)
白熊

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