「鳥居茶」摘み取りに汗 壬生・稲葉小児童が体験 お殿様の工場跡も見学

鳥居茶の茶摘みを体験する児童

 【壬生】壬生藩最後の藩主鳥居忠宝(とりいただとみ)が廃藩置県で職を失った士族の授産施設として設立した製茶工場・共産社のお茶「鳥居茶」の摘み取り作業が8日、上稲葉の赤御堂(あかみどう)地区で行われ、稲葉小5年生16人が茶摘みを体験した。

 共産社では最盛期で900人が働き年間20トンの茶葉を米国などに輸出していたが、現在は工場の面影は残っていない。昨年、鳥居茶を顕彰する町内の有志が鳥居茶研究会(内山功(うちやまいさお)会長)を発足させた。「鳥居茶」は、ほのかで上品な甘みがあるのが特長。2021年に町内で開催された全国藩校サミット壬生大会でも参加者に振る舞われた。

 この日、同会員から茶摘みの指導を受け、児童は竹かごを腰に付けて作業開始。茶摘み後は製茶場があった場所や茶畑跡などを見学した。斎藤真那(さいとうまな)さん(10)は「お茶摘みは初めて。昔の人が植えたお茶を地域の人々が大事にしていることが分かった」と話していた。

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