俳優・竜星涼の原点は「キョウリュウレッド」、大河『光る君へ』のキョウリュウジャー共演も話題に

獣電戦隊キョウリュウジャーキャラクターブック 2 VAMOLA!!! 強竜者 (TOKYO NEWS MOOK 413号)

春ドラマ『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)では天才ギャンブラーの上杉潜夜役、NHK大河ドラマ『光る君へ』では藤原隆家役と、数々の話題作に立て続けに出演している俳優の竜星涼さん。現在、大ブレイク中の彼だが、テレビドラマ初主演となったのが今から11年前のスーパー戦隊シリーズ『獣電戦隊キョウリュウジャー』であった。

そこで今回は、その俳優活動の原点とも言える『獣電戦隊キョウリュウジャー』での活躍を中心に、俳優・竜星涼さんについて振り返っていきたい。

■『獣電戦隊キョウリュウジャー』キョウリュウレッド・キングを熱演

竜星さんは2010年に俳優デビューし、2013年放送『獣電戦隊キョウリュウジャー』でテレビドラマ初主演を果たす。本作はスーパー戦隊シリーズ第37作目で、「恐竜」モチーフのダイナミックな戦隊である。また、変身や巨大ロボの合体のシーンではサンバのリズムに合わせて踊るなど、明るく陽気な戦隊でもあった。

そして竜星涼さんは、本作のレッドとなるキョウリュウレッド/桐生ダイゴを演じた。ダイゴは天真爛漫な熱血漢で、“キング”の愛称で呼ばれるほど人々を虜にするカリスマ性と器の大きさを持っている。

第1話『でたァーッ! まっかなキング』では、その後相棒となる巨大な獣電竜・ガブティラに変身前の生身の姿で打ち勝つなど、戦闘力もズバ抜けていた。そして何より、作中ではレッドとして先頭に立ち、他のキョウリュウジャーメンバーを勇気づけ引っ張っていく姿が印象的であった。

そんなエネルギッシュなダイゴを、当時20歳だった竜星さんは体当たりで演じている。アクション監督の福沢博文さんから「(竜星なら)まぁできるよね!」とムチャぶりされることも多かったようだが、持ち前の運動神経を活かして楽しくこなしていったという。とはいえ打撲や切り傷などの怪我は絶えなかったそうで、撮影の過酷さがうかがえる。

■テレビ小説『ひよっこ』でブレイク!そして数々の話題作へ出演

竜星さんは『獣電戦隊キョウリュウジャー』出演後、『GTO』『ごめんね青春!』など人気ドラマに出演し、2014年には『俺たち賞金稼ぎ団』でキョウリュウジャーのキャスト6人が再び集結し、コメディ映画にも挑戦している。

そしてさらなるブレイクのきっかけになったのが、2017年のNHK連続テレビ小説『ひよっこ』の出演だ。心優しき警察官・綿引正義を演じたことで一気に役者としての知名度を上げた。これ以降『小さな巨人』、『メゾン・ド・ポリス』、『ちむどんどん』、『VIVANT』、映画『22年目の告白 ー私が殺人犯ですー』などに出演を果たす。183cmの高身長に鍛え上げられた肉体、そしてその誠実な見た目から、そのどれもがハマリ役だった。

映画『弱虫ペダル』、『ぐらんぶる』などスポーツ作品での抜擢も多く、『昭和元禄落語心中』では着物姿で落語も披露している。アニメ『トイ・ストーリー4』では新キャラクター・フォーキーの吹き替え声優を担当するなど、近年ますます役者としての幅を広げている。

■戦隊シリーズに凱旋『キングオージャーVSキョウリュウジャー』に出演!

そんな竜星さんは、スーパー戦隊の“後輩”にあたる作品である、2023年放送の『王様戦隊キングオージャー』の第32話・第33話に、再びダイゴとして出演を果たしている。残念ながら声のみの出演となったが、「宇蟲王をとっ捕まえてくるぜ!」「お前は最高にブレイブなやつだな!」など豪快な“キング節”は健在だった。

そして、4月26日から公開されたVシネクスト『キングオージャーVSキョウリュウジャー』では、満を持して本人出演を果たしている。当時のままの衣装や髪型で登場し、10年ぶりながら変わらぬ“ダイゴ”の姿を見せた。

また、現在放送中の『光る君へ』には、キョウリュウグリーン/立風館ソウジ役だった塩野瑛久さんも一条天皇役で出演。4月放送回では二人が共演するシーンもあり、特撮ファンの間で大きな話題となったことも記憶に新しい。

人気作に出演し続ける売れっ子俳優ながら、初主演となった『キョウリュウジャー』の印象が今なお強い竜星さん。それだけ、「桐生ダイゴ」が当たり役だったということかもしれない。今後の竜星涼さんの活躍にも注目だ。

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