絶滅危惧種モンゴルチューリップが開花 中国内モンゴル自治区

絶滅危惧種モンゴルチューリップが開花 中国内モンゴル自治区

4月30日、内モンゴル自治区の高格斯台罕烏拉国家級自然保護区で開花したモンゴルチューリップ。(フフホト=新華社配信/周繇)

 【新華社長春5月9日】中国吉林省の通化師範学院はこのほど、同院の植物専門家、周繇(しゅう・よう)氏が、内モンゴル自治区赤峰市アルホルチン旗にある高格斯台罕烏拉国家級自然保護区で希少な絶滅危惧植物「モンゴルチューリップ」の撮影に成功したと発表した。

 チューリップと言えばオランダの園芸品種が真っ先に思い浮かぶが、実は野生種は新疆ウイグル自治区や内モンゴル自治区にも分布している。モンゴルチューリップは個体数が少なく、国家2級保護植物に指定されている。1970年代以降は野外での発見が困難になり、個体数の維持・回復能力を失った「機能的絶滅」の状態にあると考えられていた。

絶滅危惧種モンゴルチューリップが開花 中国内モンゴル自治区

4月30日、内モンゴル自治区の高格斯台罕烏拉国家級自然保護区で開花したモンゴルチューリップ。(フフホト=新華社配信/周繇)

 同保護区管理局の職員が昨年5月、モニタリング中に発見した珍しい花は、専門家の鑑定の結果、モンゴルチューリップと同定され、生物多様性保護や希少・絶滅危惧植物を研究にとって大きな科学的研究価値があるとされた。

 周氏によると、モンゴルチューリップは多年生の草本植物で、高さは10~25センチ。花は鮮やかな黄色で、5月に開花期、6月に果実期を迎える。草原帯の砂地に生育し、内モンゴル自治区だけに分布する固有種で、世界最東端に生育するチューリップでもある。

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4月30日、内モンゴル自治区の高格斯台罕烏拉国家級自然保護区で開花したモンゴルチューリップ。(フフホト=新華社配信/周繇)

 モンゴルチューリップが再び発見されて以降、同保護区は厳格な保護措置を講じてきた。さらに、昨年の冬は降雪量が多く、同種の生育環境が特に湿潤で、越冬芽(休眠状態にある芽)が低温によるダメージを受けなかったことから、今年は鮮やかで美しい花が開花した。複数の群落を形成し、約5ムー(約0.3ヘクタール)にわたり咲き誇っている。(記者/周長慶、彭継革)

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4月30日、内モンゴル自治区の高格斯台罕烏拉国家級自然保護区で開花したモンゴルチューリップ。(フフホト=新華社配信/周繇)

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