矢部町の名児耶さん 「ミツバチに親しんで」 戸塚の「百花蜜」づくり始動 横浜市戸塚区・横浜市泉区

巣箱からミツバチを取り出す名児耶さん

戸塚区矢部町のコミュニティースペース「テラキッズヤッピー」で、同町在住の名児耶美帆さん(44)が3月下旬から養蜂活動を始め、「百花蜜」づくりに取り組んでいる。4月28日には地域の親子らにミツバチに親しんでもらおうとイベントが開催された。

テラキッズヤッピーは雲林寺近くにある民家を活用したコミュニティースペース。矢部小学校で講師をしながら寺子屋式の国語教室を開く志田貴史さんが代表を務める。養蜂場所を探していた名児耶さんの活動を知った志田さんが声をかけ、民家の庭での養蜂が実現。現在2匹の女王蜂を中心とする巣箱2セット分のセイヨウミツバチ約8千匹を飼育している。

名児耶さんは、ミツバチと触れ合える場として「戸塚みつばち倶楽部」を発足。4月28日には第1回のイベントを開催し、親子ら8組が参加した。巣箱から1つ1つ巣枠を取り出し、ミツバチの生態や世話の仕方を紹介。数千匹の働き蜂に囲まれて女王蜂が卵を産み付ける姿が見つかると、それまで距離をとっていた小学生も近づいてまじまじとその様子を観察していた。

働き蜂の行動範囲は半径2キロ圏内といわれ、「ここで採れるハチミツは柏尾川の桜や近隣の公園が蜜源となっている百科蜜。地産地消の戸塚産はちみつです」と名児耶さんは話す。

教諭から養蜂家に

大学卒業後、17年間高校の英語教諭として勤めてきた名児耶さんは、教材研究の中でミツバチの受粉活動が農作物を育てることを知り、そのミツバチが世界的に減少していることに危機感を抱いたという。清里の養蜂家に弟子入りするなどして技術を習得し、現在は県立高校の非常勤講師をしながら、清里と2拠点で養蜂家として活動する。

名児耶さんは「働き蜂が一生に作り出すハチミツはスプーン1杯ほど。美容や健康にも良いはちみつや、ミツバチに親しみを持ってもらえたら」と話す。

次回イベントは5月26日(日)。11月まで毎月第4日曜に開催する。参加費大人2千円、同伴の子どもは何人でも無料。申込など詳細は同倶楽部名で検索を。

ミツバチの活動に興味津々の参加者

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