渋野日向子、吉田優利はここが正念場? 次週実施の米国女子ツアー第1回リシャッフルで“どんな変化”が…

渋野日向子(写真)、吉田優利は上位フィニッシュで気持ちよくリシャッフルを迎えたい(撮影:ALBA)

米国女子ツアーは日本時間のきょう9日夜から「コグニザント・ファウンダーズカップ」が開幕する。この試合と、来週行われる「ミズホ・アメリカズオープン」が“正念場”になる選手も多い。というのも、ミズホ後に非シード選手を対象に、現在の優先出場順位を見直す『第1回リシャッフル』が行われるからだ。

■畑岡、古江らは安泰…対象は非シード選手

出場人数が決められているゴルフのプロトーナメントでは、この優先出場順位が大事になる。シード選手と呼ばれる人たちは年間の出場権を保持しているため、フル参戦(一部試合を除く)することが可能だが、例えば年末の予選会(QT)を通過し出場権を得た選手たちは、その時の順位に応じて出場できる試合数が変わってくる。米国女子ツアーでは、カテゴリーに応じて、各選手に順位が割り振られている。

古江彩佳(優先順位10位)、畑岡奈紗(同12位)、笹生優花(同17位)、西村優菜(同52位)、勝みなみ(同86位)は、前年度のポイントランキング80位以内に入ったシード選手で、『カテゴリー1』(トップ80)に属している。これらの選手たちは、前述したように年間の出場権が約束されておりリ、シャッフルの対象にはならない。また、昨年の「TOTOジャパンクラシック」を制し『カテゴリー7』(ノンメンバーの優勝者)に入った稲見萌寧(同107位)も同様だ。

今回、対象になる日本勢は、昨年シード落ちした渋野日向子(同119位)と、Qシリーズを経て今季から参戦する西郷真央(同138位)、吉田優利(145位)となる。この3人が目指すのは、リシャッフル時点でのポイントランキング80位以内。ここに入ることで『カテゴリー8』(今年のトップ80)に割り振られ、第2回リシャッフルまでシード選手と同等の資格を得られる。では、それぞれの現状を見てみよう。

■渋野日向子は単独8位以上が目安

まず昨季ポイントランキング83位で終えた渋野は、ここまで同81~100位の選手たちが入り“準シード”に位置づけられる『カテゴリー11』に属している。残り2試合でランキング80位以内に入ることで、そのカテゴリーが3ランクアップする。

現在、渋野は10.475ptでポイントランキング132位。予選落ちがなかった今季初戦の「ホンダLPGAタイランド」は主催者推薦のため規定によりポイントが得られず、その後、4試合連続で決勝進出を逃した出遅れが響いている。今週はメジャー大会ではないため、ポイント配分は優勝で500pt、2位で320pt、3位で230pt…となる。現時点のポイントランキング80位は95.083ptとなっており、この試合でその最低ラインを越えるには、90ptが得られる単独8位以上が目安になる。

ただ渋野の場合はもともとのカテゴリーの高さもあり、80位入りを逃した場合でも、144人枠がメインになる夏場の大会にはほとんど出られる見込み。また2019年の「AIG女子オープン」優勝により、今年まではすべてのメジャー大会にも出られるため、巻き返しも十分に可能な状況といえる。とはいえ、リシャッフル突破だけではなく、秋のアジアシリーズ出場や、シード復帰、さらにシーズン最終戦に出場できる60位以上確保のためにもコンスタントにポイントを稼ぎたい。

■吉田優利は“一発逆転”が必須

より厳しい立場にあるのが吉田だ。もともとの優先順位も145位で、出場枠に対してギリギリに位置しているが、そこからさらに落ちる可能性もあるからだ。今季のポイントランキング80位以内の非シード選手がリシャッフル後に『カテゴリー8』に入れるのは説明したが、同81位以下になると一気に『カテゴリー13』まで下がる。つまり、80位と81位では雲泥の差が出るということだ。

吉田はここまで3試合に出場し、決勝進出はわずかに1回。現在のポイントランクは、2.1ptの156位に甘んじている。さらに来週は出場枠が120人で、吉田は現時点でウェイティング12番手と出場は厳しい状況。ポイントランク80位入りの可能性を残すためにも、今週のうちに100ptが得られる単独7位以上になっておく必要がある。予選会を勝ち抜き、5月30日開幕の「全米女子オープン」出場権は確保しているが、今週が大きな山場になるのは間違いない。

なお西郷は、ここまで6試合に出場しトップ10入りも1度。現在のポイントランクは54位とあって、リシャッフル後も出場試合は安泰といえる状況だ。

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