世界最高圧の交直変換所、ロボット犬がパトロール 中国安徽省

世界最高圧の交直変換所、ロボット犬がパトロール 中国安徽省

 【新華社合肥5月9日】中国の新疆ウイグル自治区昌吉回族自治州昌吉市と安徽省宣城市宣州区古泉鎮を結ぶ「昌吉-古泉1100キロボルト超高圧直流送電線」の受電端に当たる安徽宣城古泉交直変換所では、四足歩行でパトロールするロボット犬などを活用し、電圧レベルが世界で最も高い交直変換所の安全運転を支えている。

 交直変換所の電力設備室では設備の検査にドローンを用いている。決められた時間になると、密集した電力設備の間をドローンが巡回し、設定された航路で設備の検査を近距離から行う。室内の障害物や電波干渉、測位精度の低さなどの課題を自動巡回システムで克服している。

 千キロボルトのガス絶縁開閉装置(GIS)ヤードではロボット犬が階段や草地などを四足歩行で軽々と移動し、車輪付きロボットと相互補完しながら作業。搭載したカメラやセンサーで設備の部分放電、機械の緩み、ガス漏れなどの欠陥箇所を特定する。毎日決まった時間に出発して作業し、自動で帰還することができ、複雑で広大な構内環境の無人パトロールを実現している。

 同交直変換所にはこのほか、長射程の消火砲、スマート消火コンテナなどの設備が備えられ、マイナス20度からプラス60度の環境で稼働できる消防ロボットもある。

 昌吉-古泉1100キロボルト超高圧直流送電線は、世界で電圧レベルが最も高く、送電距離が最も長く、送電容量が最も大きい送電プロジェクトで、新疆昌吉交直変換所を起点、安徽古泉交直変換所を終点とする。西部の電力を東部に送る「西電東送」の重要施設である安徽古泉交直変換所は2019年の稼働以来、累計2490億キロワット時以上の電力を華東地域に送り出し、長江デルタ地域(上海・江蘇・浙江・安徽1市3省)の経済発展をエネルギー面で力強く支えている。(記者/曹力)

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