有機農業普及の動きが岩手県内で活発化 認証農地拡大目指す

 

 農薬や化学肥料を使わない有機農業の普及を目指す動きが岩手県内で活発化している。県が人材育成へ「いわてグリーン農業アカデミー」を29日に開講するほか、生産者有志は協議会を設立。国は農業分野の二酸化炭素(CO2)排出ゼロを掲げて有機農地拡大の旗を振るが、本県は東北で最も認証された農地面積が少ないのが実情。脱炭素化が世界の潮流となる中、生産現場で環境負荷低減型の取り組みが進むか注目される。

 国は2050年までにCO2排出を実質ゼロとする「みどりの食料システム戦略」に基づいて、有機農地を奨励している。農林水産省によると、有機農産物の日本農林規格(有機JAS)認証を受けた本県の圃場面積は149.53ヘクタール(22年4月時点)。認証がなくても有機農業に取り組む生産者はいるが、秋田と青森は共に400ヘクタールを超えている。

 状況打開に向け、認証を持つ生産者有志は3月、県有機JAS協議会(滝沢藤七会長)を結成。生産者や農地の拡大を図り、学校や病院への「オーガニック給食」導入を目指す。

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