大量発生中のカメムシを捕獲する便利グッズ「ぱっくりん」開発者は「同じように困っている方のお役に立ててよかった」

この時期、部屋に入ってきて、触ると何とも言えないくさ~い臭いで人間を悩ませる昆虫「カメムシ」。2024年も各地で大量発生が報告されています。

そのカメムシを、離れたところから捕まえられる便利グッズ「ぱっくりん」が話題となっているのをご存じでしょうか。
「ぱっくりん」は2021年に開発され、現在も年々売り上げが増えているようです。

(「ぱっくりん」を開発した浜村木材 浜村拓志 専務)
「カメムシなので需要がないと思っていたが、2021年に商品を出してからカメムシが多くなった。同じように困っている方がいらっしゃる。少しでもお役に立てればよかった」

(2022年11月の記事再掲です)
その捕獲器をPRするイメージソングもあるのです。イメージソングを手がけたのは、かつて岡山出身のメンバーで結成された、伝説のバンドのメンバーです。

■「Oh!ぱっくりん」を歌うのは・・・(ぜひ動画で聴いてください!)

(♪「Oh!ぱっくりん」)
「ぱっくりん~ぱっぱっくりん」

耳に残る印象的なフレーズ。伝説のロックバンドのメンバーが、この画期的な商品のために作ったイメージソングです。

その商品は、人間を悩ませる「カメムシ」をキャッチするためのものです。

(亀山哲彦さん)
「今年はすごく多い、というのがニュースでも取り上げられていて、うちもナスビとトマトですかね、そこにびっちりいるんですよ」

楽曲を手掛けたのは、岡山市出身でシンガーソングライターやベーシストとして活動する、亀山哲彦さんです。

(亀山哲彦さん)
「今度展示会があるんだけど、じゃあ曲を作ったほうが面白いんじゃない?じゃあやりましょう。じゃあCDまで作っちゃったらどうなのかな」

という流れで実現しました。

■歌の題材となったのは、画期的な商品「ぱっくりん」!

そのグッズは、島根県出雲市の木材会社が開発しました。

(BSS山陰放送 三宅純人記者)
「カメムシを捕獲するために、現れた救世主が?」

(浜村木材 浜村拓志 専務)
「ぱっくりんです」

マジックハンドのような形をしたカメムシ対策グッズ、その名も「ぱっくりん」です。

棒の先についた粘着テープでカメムシを捉え、パクっと閉じていやーな匂いをシャットアウト。触らずに捕獲できる画期的なグッズです。

開発のきっかけは、出雲へ嫁いだ専務の妻が大の「カメムシ嫌い」だったことだといいます。

(浜村木材 浜村拓志 専務)
「一人でカメムシを捕まえることができないかなと、それも離れた所から捕まえることができないかな、ということを考えて」

ところが開発の途中で変化が。

(浜村木材 浜村拓志 専務)
「最初は妻は、全くカメムシに近づくこともできなかったんですけど、この8年で非常にたくましくなりまして、今では自分でガムテープで捕ることができるようになってしまった」

■亀山さん、何故「ぱっくりん」の歌を?・・・ネット時代ならではのステキな出会い

カメムシに悩まされている多くの人にとって救世主になると、全国的な反響が。では、このぱっくりんのイメージソングはどのように生まれたのでしょうか?

(浜村木材 浜村拓志 専務)
「僕が昔からファンでしたね。どんなバンドをやっておられたのか存じ上げていましたので」

現在ロックバンド『ザ・タイムトラベラーズ』でベースを担当する亀山哲彦さんは、あの甲本ヒロトさんが率いたブルーハーツの前身のバンド、ザ・コーツのベーシスト。

亀山さんは、県立岡山操山高校の同級生だった甲本さんを、バンドの世界に誘った張本人です。2人はザ・コーツ結成以前にも、岡山で共に活動をしていました。

その亀山さんに、浜村専務がSNSでメッセージを送り交流が始まりました。

(亀山哲彦さん)
「『いいね!』したりすると友達になってくる。そういう形で話をしているうちに…」

そして亀山さんが、ザ・コーツ時代の盟友・山川のりをさんと38年ぶりにタッグを組み、「ぱっくりんズ」を結成、「Oh!ぱっくりん」を発表したのです。

(浜村木材 浜村拓志 専務)
「私みたいな素人に、夢みたいでしたね」

■CDの2曲に籠められた、亀山さんの深~い思い

CDにはもう1曲収録されています。

(♪「カメムシのブルース」)
「おいらカメムシ 孤独なやつさ 親父の顔も覚えちゃないぜ」

(亀山哲彦さん)
「善と悪とか、光と影とか、どちらも言い分がある」

「『Oh!ぱっくりん』では、カメムシに困っている人がぱっくりんに救いを求める、という歌なんですけど-」

「『カメムシのブルース』は、カメムシはカメムシで生きていて、別に悪気なくナスを食べに行ったり家に背中にくっついて入るだけ」

「2021年11月に曲を作って、それから世界でもいろんなことがありましたけど、本当にみんな仲良くすればいいのに、と僕は思っている」

■昆虫好きの甲本ヒロトさんは、虫を捕まえる「ぱっくりん」に何思う

CDの帯には、現在「ザ・クロマニヨンズ」で活動中の甲本ヒロトさんがメッセージを寄せました。

「よいこの皆さん。カメムシはガイチュウだけど、ワルモノじゃないよ。あ、ぱっくりんズの歌は楽しいです。-甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)」

(亀山哲彦さん)
「彼は虫が好きなので、すごく気にしていたのは『ぱっくりんはカメムシを殺すんじゃろ?』いや殺してないでしょう、包んでいるだけじゃないですか。あとは使った人のご判断」

甲本さんもメッセージを寄せ、伝説のバンドのメンバーが再結集した「ぱっくりんズ」。亀山さんは既に、次の展開も見据えているといいます。

(亀山哲彦さん)
「もうだんだんね、コロナも緩和されてきたので、盆踊りがぐらいできるようになったらまた浜村さんと相談して『ぱっくりん音頭』とか『カメムシ音頭』とか、次のCDを出して」

(後藤克弥記者)
「亀山さん、おっしゃっていましたよ。次『カメムシ音頭作ろうかな』って」

(浜村木材 浜村拓志 専務)
「いいですね、夏に、夏祭りにいいかもしれませんね」

アイデア商品をとりまく交流。生まれた2つの楽曲には、「カメムシが嫌いな人も好きな人も、幸せな世の中に」との思いが込められています。

「♪君の所へ僕らのヒーローOh!ぱっくりん」

(スタジオ)
「ぱっくりんズ」の曲は、オンラインショップなどで販売しています。またカメムシ捕獲器「ぱっくりん」が購入できる店は、浜村木材の「カメムシさん対策室」に掲載されています。

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