公立夜間中学、6人に1人が「必要」 岩手県教委が県民アンケート

ボランティアと数学の勉強に励む女性(左)。「もう一度学びたい人は多い」と公立夜間中の開設を望む=盛岡市

 公立夜間中学を岩手に―。県教委が需要把握のため行った県民アンケートで自身や身近な人が「必要」とする回答が6人に1人の割合であった。不登校や家庭事情などで十分な義務教育を受けられなかった人が学ぶ場で、当事者の女性は「もう一度社会とつながれる」と開設を訴える。ただ本県は面積が広く、通学可能な立地や設置主体をどうするかといった課題は多い。誰一人取り残さない教育の実現へ、県教委はその在り方を探るべくニーズ調査や市町村教委との協議を続ける。

 「年を取ってからでも、もう一度勉強したい人はもっといると思う」。盛岡市内の交流施設の一角で週1回、元教員のボランティアから数学を教わる60代女性は、岩手日報社の取材に夜間中の必要性を説いた。

 高校を卒業はしたが、もう一度学びたい思いがずっとあった。「夜間中はもう一度社会とつながる場。年齢を重ねた人やお金に余裕がない人のために公立が必要で、ひきこもりの子がいる親の安心にもつながる」と思いを込める。

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