元賞金王・比嘉一貴が描く欧州ツアー復帰への青写真「まずは日本に専念」

欧州ツアー再挑戦へ。比嘉一貴は日本ツアーで足場を固めるつもりだ(撮影:佐々木啓)

<For The Players By The Players 初日◇9日◇THE CLUB golf village (群馬県)◇7172ヤード・パー71>

2022年の賞金王・比嘉一貴は、6バーディ(2pt×6)・1ボギー(−1ポイント)で11ポイントを奪い、好位置で初日を終えた。「ティショットをずっとフェアウェイに置けたので、かなりチャンスが多かった。すごくいいリズムでプレーすることができたと思う」と振り返った。

今大会は、ツアー唯一のステーブルフォード方式(ポイント制)。パー0点、バーディ2点、イーグル5点、アルバトロス8点と、スコアに応じてポイントが加算される。この大会に初出場となった比嘉は、特殊なプレー形式をどう感じたのか。「1バーディ・1ボギーだと貯金が1点あるっていうところでは、アグレッシブにいけるかな。バーディパットも、別に3パットをしても大丈夫ぐらいの気持ちで打てたので、余裕を持つことができる」とポジティブに捉えている。

22年は国内ツアーで4勝を挙げて、賞金王に。その資格で昨シーズンはDPワールド(欧州)ツアーを主戦場に戦い、“世界”で揉まれた。20試合中トップ10には2度入ったが、ポイントランキング120位で、惜しくもシード権に届かなかった。

23-24年シーズンは5試合に出場し、昨年12月の「アフラシアバンク・モーリシャスオープン」11位タイが最高。今年に入り、日本開催を除くと2月のケニア戦にしか出場することができていない。

「やっと(欧州に)慣れてきたなってところで終わってしまったので。(出場権が)降りてきたら行きたいなと思っているけど、今はもう日本に専念して頑張って、来年に備えたい」。シーズン終了時点での賞金ランキング3位までに与えられる欧州の出場権や、ファイナルQTに挑戦することを視野に入れている。

昨年は久常涼が欧州ツアーを制し、今年に入り星野陸也、中島啓太、桂川有人がそれに続いた。しかし、比嘉に焦りはない。「元々、そういう力がある選手たちだった。自分は自分のことをやるだけ」。まずは、目の前の戦いに全力を尽くす。(文・神吉孝昌)

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