衝撃の”双子プレーオフ”から一年 岩井千怜が直ドラ極意を披露「トップでもいいかなくらい」

昨年大会で史上初の双子プレーオフを制した岩井千怜(撮影:米山聡明)

<RKB×三井松島レディス 事前情報◇9日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6305ヤード・パー72>

昨年は、記憶に残る大会になった。岩井ツインズがトータル11アンダーでそろってホールアウト。のちに2年連続年間女王になる山下美夢有を加えた3人で、“史上初の双子プレーオフ”が実現した。姉妹で直ドラ対決を演じ、ツインズの妹・千怜(ちさと)が名門・和白を制したが、あの激闘から一年、岩井千怜が当時を振り返る。

その第一声は「なんか戻ってきたなっていう感じ(笑)」。強烈に印象づけた双子プレーオフがあったうえでの“あっけらかん”とした回答に、記者たちも思わず拍子抜けだ。ただ「前回優勝したからまた勝ちたいとか、そういう気持ちは無いけど、去年のように盛り上げられたらという気持ちはあります」と再び熱気を吹き込む準備はできている。

初日は姉の明愛(あきえ)、山下と同組になることが決定。“再競演”となるが、それについても「一緒の組で良かったなというくらい。山下さんも何回もまわったことがあるし、改めてという思いはないです」と涼しい表情を浮かべる。ディフェンディチャンピオンとして気負うことない、いつも通りの千怜の姿があった。

先週行われた、国内メジャー初戦は「ドライバーが曲がってしまった。コースに負けている自分がいた」と29位タイと振るわない結果に終わった。「ショットの感覚は良いけど、止まらなかったリ、風に影響されてちょっと曲がったり、なかなか対応できなかったと思います」。14フィートを超える高速グリーンに翻ろうされ、ショットを結果につなげることができなかったことが悔やまれる。

今週は「(セカンドが)100ヤード以内になることもかなり多くなってくるので、その精度がすごい大切だなと思います」。距離は長くない和白コース攻略への道筋を立てる。あとは「今週もいい調子のまま来ているので、自分の力を発揮するだけかな」と、この好感触を結果にあらわす3日間にしたい。

ちなみにプロアマでラウンドした際、1年前に“激闘の地”になった18番のセカンドは直ドラではなく3番ウッドを選択。「去年ここら辺で直ドラしたな(笑)」と感慨には浸りながら、堅実なクラブチョイスとなった。昨年の直ドラはぶっつけ本番で「アイアンのように打ち込込もうとはせず、トップでもいいかなくらい。フェアウェイウッドの延長線上です」とその極意も教えてくれた。

最終日の12日は母の日ということで、岩井ツインズは特別なウェアで3日間を戦う。「そこに注目してほしいです」。何を着るかはお楽しみ。今年はプレー以外でも会場を盛り上げてくれそうだ。(文・齊藤啓介)

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