水道復旧へ石川県外の業者も支援へ 多忙の県内業者は「ありがたい」一方で施策の遅れ指摘

能登半島地震の被災地で上下水道の復旧が進む中、自宅に水を引き込む配管の工事が追いつかず水が使えないというケースも少なくありません。

石川県は8日、地元以外の業者へ依頼する場合の支援策を発表しましたが、地元業者からは早期の復旧へ「対象をさらに広げるべき」といった声が上がっています。

森山設計・森山正幸代表取締役「(業者の数は)やっぱり少ない。もっとたくさん人が来れば、もっと水を出せる家が増える」

輪島市で水道設備などの会社を営む森山正幸さんの会社では、これまで5人の作業員でおよそ500件の復旧工事を請け負ってきました。

一方、依頼を受けたものの着手できていない修理は50件近くあるといいます。

森山設計・森山正幸代表取締役「やってみないと分からないが何か月かかかる」

9日、作業を行ったのは輪島市内の市営住宅。基礎と地盤がズレたことで上下の水道管が破断していて、地面を掘り起こして修理するのに1週間以上かかる見通しです。

こうした中、県は8日ある奥の手を発表しました。

石川県・馳浩知事「地元の市町以外の工事業者の旅費・宿泊費など、かかります経費を県が全額を事業者に直接補助することとする」

県が打ち出したのは、地元以外の業者に修繕を依頼した場合の費用の補助制度です。

これまでは、ガソリン代や宿泊費などが上乗せされ割高になっていましたが、県が上乗せ部分を負担することで地元業者に集中していた依頼を分散させることが狙いです。

一方、燃料費の限度額は「加賀市から珠洲市までの移動距離相当」としていて、あくまで県内業者への依頼が想定されています。ちなみに、加賀市から珠洲市までの移動距離は200キロあまりです。

森山設計・森山正幸代表取締役「ありがたいが、ただ県内だけじゃなくて県外の業者も受け入れしていただいて、県外からのお金を国が補助するみたいな形になれば良いと思う。要望したことに対して実現したのはありがたいことだが、ちょっと遅いかなという感じはある」
輪島市民「(行きつけの)美容師さんは、ボランティアの方で何とか水道管に詳しい方を見つけて、運が良い人はそういうボランティアの中にそういう人を見つけてっていう感じ」

いまだ1170戸で断水が続く輪島市ですが、1日も早く全ての世帯で水が使えるようになるため、さらなる支援の拡充が求められています。

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