中国初の船外暴露実験完了、良質牧草の種子を研究機関が回収

中国初の船外暴露実験完了、良質牧草の種子を研究機関が回収

有人宇宙船「神舟17号」が持ち帰った「中天」シリーズのムラサキウマゴヤシやエンバクなどの種子。(資料写真、北京=新華社配信)

 【新華社北京5月9日】中国農業科学院は7日、宇宙ステーションの暴露実験装置で11カ月にわたり船外放射線を受けた後、有人宇宙船「神舟17号」が地球に持ち帰った「中天」シリーズのムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)やエンバクなど種子5種類を、同院蘭州牧畜・獣薬研究所の牧草ストレス耐性育種・利用革新チームがこのほど回収したと明らかにした。

 研究者は今後、これらの種子を対象として地上での選抜育種実験を行い、収量増加、品質向上、耐性強化に焦点を合わせ、優良牧草の新品種を育成していく。

 宇宙育種により、独創的かつ安全、独自の知的財産権を持つ育種材料と種子の遺伝資源を提供することができるという。宇宙では高真空、微小重力、宇宙放射線の三つの働きにより、種子の遺伝子変異を生じさせ、宇宙変異誘発によって非常に珍しく、画期的で優れた新しい遺伝物質を手に入れることが期待できる。

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