蒲田で一麺入魂!の味噌ラーメン。強力な火力で旨味と香りを引き出す『らーめん蓮 蒲田本店』

蒲田駅南口から徒歩3分、入り口を囲むように配置されている室外機がまず目につく。その室外機に隠れるように「らーめん蓮」の看板。中に入ると思ったより奥行きの広い店内で、味噌の香りが漂ってくる。早速一番人気の味噌らーめんを作ってもらうと、その室外機の秘密がすぐにわかった。

味の秘訣は強力な火力

まず、もやしなど野菜を投入。
立ち上る炎も調味料のうち。中華料理の調理風景のよう。

調理の様子を厨房で見せてもらうと、大ぶりの中華鍋で、まず野菜を炒めはじめた。時折上がる炎に火力の強さがうかがえる。鍋を覆い尽くすような炎は、こちらまで熱が伝わってくるようだ。

野菜を手早く炒めた後は、味噌を入れ、これも強火で火を入れていく。この時点で味噌が焼ける香ばしい匂いが漂い、食欲が刺激される。最後にスープを投入。

特製の味噌も中華鍋に投入。
最後にスープも鍋で熱する。

「味噌らーめんは、中華鍋で炒める札幌味噌ラーメンの手法ですね」と店主の伊藤良介さん。注文ごとに調理しているため、提供には少し時間がかかることもあるそう。この火力で次々と注文が入り、毎回火を入れていたら、真夏は猛烈な暑さになることが想像される。

あの室外機の数は、夏場のエアコンのためだったのだ。鍋のそばにも送風機のパイプが伸びていた。

鶏・豚・野菜を17時間炊いたスープ

全部のせの特製味噌ラーメンは1400円。麺の量も、豚の旨味を生かしたチャーシューも、バランスのよい構成。

味噌ダレは3種類の味噌をブレンド、スープは鶏・豚・数種類の野菜を17時間炊いて作り上げている。非常に手間暇をかけた一品なのだ。

食べてみると芳ばしい味噌の香りが広がり、野菜まで旨味が染み込んでいる。濃厚だけれどもシャキシャキの白髪ネギと、ピリリとしたラー油の辛さがアクセントになり、するすると食べられてしまう。スープとよく絡む中太麺は『三河屋製麺』の多加水麺。

さらに辛さを追加したい時には、店内にある辛子もやしをトッピングしてもいい。食べ放題なので、小皿に盛っておつまみとしても楽しめる。

ピリ辛の辛子もやしは食べ放題、食前の野菜ジュースもサービス。

一方、つけ麺の麺はつるつるの表面で、歯応えのあるモチモチの太麺。スープは濃厚でトロみがあり、コクのある甘めの味噌味。太麺とよく絡む、パンチの効いた味だ。こちらも白髪ネギがほどよいアクセントになっている。

さらに味噌ダレの旨味をダイレクトに味わいたいのなら、濃厚な味噌まぜそば1000円がおすすめ。やみつきになる一杯だ。

チャーシュー2枚に味玉がのった特製味噌つけめん1400円。
つけ麺の麺もコシの強い多加水麺。麺自体の風味も強い。

店主は元プロボクサー

店主の伊藤良介さん。長渕剛が好きで店内には長渕氏の名言を掲げている。

店主の伊藤さんは元Sフライ級のプロボクサー。引退後は二郎系の名店『らーめん陸』、味噌ラーメンの名店『麺処 花田』で修業した後、独立した。蒲田に店を構えたのは2016年の11月。今では三軒茶屋にも支店がある。店内には所属ジムの選手のポスターが貼られていた。

カウンターのほか、テーブル席もある。ベビーカーも置ける広さ。

そんな伊藤さんに蒲田の街の魅力も聞いてみた。「蒲田にはたくさん飲食店がありますが、皆さん意外と横のつながりがあるんですよ。ラーメン屋店主が集まってトークイベントも開催されたりもします。下町的な感じですかね」。昔ながらの人情味がある街なのだ。

おつまみのメニューもある「飲める」ラーメン店

カウンターは5席。ちょっと1杯も、仲間とテーブルを囲むのもOK。

この店の魅力がもう一つ。飲めるラーメン店という点だ。メニューを見ると生ビールにハイボール、焼酎とアルコールのメニューもそろう。チャーシューや鶏モモ肉の唐揚げなどおつまみのメニューも豊富に用意されている。おつまみは1品350円とお手頃な価格。ラーメンの麺を半分で注文できるので、締めにもちょうどいい。

ビールとおつまみで一杯やってから、締めのラーメンまで食べることができる。おいしくて使い勝手のいい『らーめん蓮』、蒲田に訪れた際にはぜひ試してみてはいかがだろうか。

らーめん蓮 蒲田本店(らーめんれん かまたほんてん) 住所:東京都大田区西蒲田8-22-3 1F/営業時間:11:00~23:00 /定休日:無/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩3分

取材・⽂・撮影=新井鏡子 構成=アド・グリーン

アド・グリーン
編集プロダクション
1982年創業の編集プロダクション。旅行関係の雑誌・書籍、インタビューやルポルタージュを得意とし、会社案内や社内報の経験も多数。企画立案から、取材・執筆、デザイン、撮影までをワンストップで行えるのがウリ。

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