山あいに映る朝焼けの空 もうすぐ田植え「うへ山の棚田」 季節限定の絶景広がる 香美

日の出直後の空を映し出す棚田=9日午前、兵庫県香美町小代区貫田

 田植えの季節、兵庫県香美町小代区の「うへ山の棚田」では、水田が朝の空を鮮やかに映し出す光景が広がっている。

 うへ山の棚田は「和牛のふるさと」と呼ばれる小代区を象徴する景観で、「日本の棚田百選」や後継の「つなぐ棚田遺産」にも選ばれた。標高約450メートルの山あいに大小39枚、計2.8ヘクタールの棚田が広がり、田んぼを縁取るあぜが独特の曲線を描く。

 近年は高齢化による農家の引退が相次ぎ、地元有志のグループ「俺たちの武勇田(ぶゆうでん)」が約1ヘクタールを引き継いでコシヒカリを栽培。昨夏の台風7号で一部の田んぼに被害が残るが、メンバー田尻幸司さん(52)は「この景色を守っていかなあかんという気持ちは変わらない」と話した。

 香美町小代観光協会TEL0796.97.2250(火曜休み) (長谷部崇)

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