「このイケメンは誰!?」 かっこよさに驚いた「男児キャラがオトナに変身」の名シーンを振り返る

2022年の映画『ONE PIECE FILM RED』より「コビー」キャラクタービジュアル (C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

漫画やアニメのイケメン男子キャラは、いつの時代も読者や視聴者のハートをわしづかみにする。中でも、意外なギャップで我々を驚かせ、女子をときめかせるのが、子どもの姿から超イケメンな大人の姿に変貌する男子キャラだ。

初登場からずっとイケメンなキャラが人気なのはもちろんのことだが、こういったギャップを持つキャラもまたおのずと人気が高くなる。そこで今回は、大人の姿でイケメン度が爆上がりした男子キャラを見ていこう。

■成長ぶりに驚いた『ONE PIECE』のコビー

まずは、尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』に登場する海軍大佐のコビーを見ていこう。彼は、ルフィが海に出て初めて出会った人物で、初登場時はルフィよりも身長が小さく、メガネをかけた下膨れフェイスという冴えない男児だった。ピンクヘアは可愛らしいが、ぜい肉だるだる(ルフィ談)で、決してイケメンとは言えない。

海軍将校になるという夢を持っていたコビーは、ルフィに感化され、アルビダから解放された後に海軍に入隊。大変化を遂げたのは、そこからのことだった。

ウォーターセブンで再会したコビーは、海軍本部曹長になり、身長が伸びていた。そして、引き締まった体に目鼻立ちのハッキリしたイケメンになっていたのである。これにルフィも「成長期にもほどがあるぞ」と驚いていたが、読者もかなりの衝撃を受けたはず。

さらに、トレードマークのメガネもおしゃれアイテム扱いになり、ヘアスタイルも毛先を遊ばせた現代風になっている。かつての面影はなく、初期との共通点といえばピンク色の髪の毛くらいかもしれない。

■みやびな美少年になる『おじゃる丸』のおじゃる丸

NHK初のデジタル制作アニメ『おじゃる丸』。キュートなキャラたちが繰り広げる緩いコメディの数々は、1998年の放送開始から現在に至るまで、大人も子どもも魅了し続けている。

主人公の坂ノ上おじゃる丸は、エンマ大王のシャクを盗んで1000年前のヘイアンチョウから現代にタイムスリップしてきた、マイペースかつ甘えん坊な妖精貴族の子どもだ。年齢は5歳で、おかっぱ頭に烏帽子、殿上眉毛という典型的な平安貴族風スタイルである。

そんな彼が、19シリーズの1話目で突然17歳の姿になって現れた。子どもの時はまん丸な目だが、成長した彼はアンニュイな雰囲気の目元になり、背が伸びたことで大きかったおかっぱ頭もバランスがよくなっている。

突如美少年化したおじゃる丸に、オカメ姫をはじめ月光町の女性はメロメロ。視聴者も、その急展開に「どうして……?」と度肝を抜かれた。

ちなみに、19シリーズは髪が生えて人間らしくなった小鬼トリオも17歳の姿で登場するが、四角かったアオベエはスタイリッシュなイケメンに、ホームベース型だったアカネはナイスバディになっていた。

■恋するツンデレ男子『魔法騎士レイアース』のアスコット

CLAMP氏の『魔法騎士レイアース』は、ひょんなことから魔法騎士となり、異世界セフィーロを救う任務を任された3人の中学生の活躍を描くファンタジー漫画だ。

同作に登場したアスコットは、魔獣と心を通わせる力を持つ子どもの召喚士で、ザガートの幹部として光たちの前に現れた敵だった。性格は小生意気かつ残酷で、弱いヤツは大嫌いと豪語するプライドの高いタイプである。

しかし、獣を友達と言いつつ、彼らを戦いに使うことや人を見下す性格にキレた龍咲海にビンタされたことで、気持ちに変化が起こり改心する。そして、このビンタ事件がきっかけで、アスコットは海に恋心を抱くようになったのだ。

海に相応しい男になると決めたアスコットは、『レイアース2』で海よりもかなり背の高い青年に姿を変え、味方となって再登場した(中身は子どものまま)。子どもの頃と同じような魔道服を身にまとっているが、長い前髪からはキリっとした目が覗きイケメンなのがわかる。

このときはもう海にぞっこんで、かつての小生意気な性格はどこへやら。海の言動に一喜一憂するツンデレキャラへと変貌を遂げていた。

■元祖おしゃぶりイケメン『幽☆遊☆白書』のコエンマ

90年代に爆発的なヒットを記録した、冨樫義博氏の『幽☆遊☆白書』に登場するコエンマ。彼は霊界を仕切る閻魔大王の息子で、実年齢は700歳以上だが、見た目は2〜3歳ほどの幼児である。

トレードマークは、おしゃぶりと「王」「Jr.」と書かれた大きな帽子と糸目。おしゃぶりを咥えたまま器用に話し、大きな椅子に座って部下に指示を出す姿は何とも可愛らしかった。

そんなコエンマだが、人間界に出向く際は浦飯幽助とさほど背格好の変わらない青年バージョンに変身する。やはり、人間界では人目があるので、幼児のまま動き回るのは難しいのであろう。

しかもこれが超イケメンで、糸目は切れ長のクールな目になり、爽やかなストレートヘアに変化しているのだ。だが、額に「Jr.」の刻印があり、おしゃぶりはしたまま。そのせいで、少しとぼけたイケメンになっていた。

なお2023年末にNetflixで配信となったドラマ版では、町田啓太さんがスタイル抜群の大人コエンマを演じているが、赤ちゃんVer.の実写コエンマを見てみたいファンも多かったのではないだろうか。

■三段階変化でどんどんイケメンになる『家庭教師ヒットマンREBORN!』のランボ

最後は、天野明氏の『家庭教師ヒットマンREBORN!』に登場したランボを見ていきたい。彼は、ボヴィーノファミリーに所属していながらボンゴレファミリー10代目ボス・沢田綱吉の雷の守護者でもあるという殺し屋だ。

年齢は5歳で、人間の幼児サイズの牛に見えるものの中身はちゃんとした人間。なかなかに自我が強く周囲を振り回すことも多いが、外見が可愛くてどこか憎めないキャラだ。

ランボは「10年バズーカ」という未来の自分と5分だけ入れ替わる武器を持っている。それを使い、15歳になったのが”大人ランボ”と呼ばれる姿だ。大人ランボは可愛い5歳児の姿から一変して179センチと高身長になり、いつも片目を閉じていてたれ目、ゆるふわパーマヘアという、どことなく気だるい雰囲気のイケメンになる。

さらにこの15歳のランボが「10年バズーカ」を使うと、25歳の青年ランボに変身する。レヴィ・ア・タンとの戦いで登場した青年ランボは、184センチとさらに身長が伸び、色気も増し増し。さらにこれまでとは比べものにならないほど戦力も上がっている。

今回紹介したキャラたちのように、急に大人に変身するキャラの多くは子どもの姿が可愛く描かれているため、イケメンな大人の姿とのギャップにグッときてしまう。可愛いとカッコいいを兼ね備えているなんて、ある意味最強ではないだろうか。

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