香芝市 「下田地車」修復に向けて安全祈願祭

香芝市の下田地区で、地元に伝わるだんじりをおよそ60年ぶりに復活させようと、傷んだだんじりの修復に携わる人たちが安全祈願祭を行いました。

9日は、下田地車保存会のメンバーや修復を担当する職人らが鹿島神社でお祓いを受け、安全を祈願しました。下田地区では、昭和30年代まで地域の秋祭りでだんじりを曳いていたといいますが、その後は途絶え、だんじりは永らく蔵に保存されたまま傷みが進んでいたといいます。だんじりは、江戸時代末期の1854年=嘉永7年に泉州・堺の彫師の手で造られたとされ、源平の戦いを描いた三枚板や細やかな技が詰まった彫り物に彩られています。由緒あるだんじりをそのままにしておくのはもったいないという声が上がり、2023年、地元の自治会のメンバーを中心に、だんじり復活に向けた保存会が発足しました。

下田地車保存会 会長 森田充紀さん

「保育所くらいの時に、おじいちゃんが役員をしていた関係でだんじりの上にあがらせてもらって一緒に回った記憶があるんですけれども、感無量ですね。ちょっとこのへんでも曳き回しができたらありがたいなと思っています。」

修繕にはおよそ2400万円がかかるとされますが、保存会では文化庁の補助を受けつつ、まず今年の秋までに柱や足回りを修繕し、その後、2025年にかけて屋根や飾りなどの修復を行いたいとしています。

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