北綱島特別支援学校 五感で“読む”読書実践 文科大臣表彰を受賞 横浜市港北区

絵本を楽しむ子ども

北綱島特別支援学校(坂本征之校長)が、子どもの読書活動優秀実践校として、文部科学大臣表彰を受賞した。同校では、身体状況が異なる生徒それぞれに合わせ、様々な感覚を使った読書活動に取り組んでいる。

文科省では、特色のある優れた読書活動を実践している学校・園、図書館、団体・個人に対し、大臣表彰を行っている。子どもの読書活動の一層の推進に資することを目的としている。

今年度は全国で263の学校・園、図書館、団体・個人が表彰され、港北区からは北綱島特別支援学校が受賞した。表彰式は、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で4月23日に行われた。

全ての子どもに読書を

同校では、触る絵本や音声再生、瞼の動きなど微細な反応を通した交流など、個人の身体状況に合わせた読書支援を行っている。取組の一つである「としょ」の時間は、手遊び歌やパネルシアター、製作体験など五感すべてを使える読書活動。学校司書と教員、看護師らが情報共有し、すべての子どもたちが”読める”工夫をしている。マルチメディアDAISY図書の導入や、通学が困難な子どものリモート参加などICT機器の活用にも注力している。

「感情表現や身体の使い方の学習など、子どもたちにとって読書は重要。先生たちの協力で、図書に親しむ機会をつくれている」と語るのは、同校の学校司書、加藤圭子さん。3年前の赴任以降、精力的に様々な企画を提案している。その様子に、坂本校長は「子どもを中心に教員らと良い関係が築けているのでは」と話す。加藤さんは「できることが制限されている分、読書を通して子どもたちの世界が広がれば」と笑顔を見せた。

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