「電話をすぐ切って!」80代の女性患者がいままさに特殊詐欺被害に...副看護師長が「とっさの判断」でファインプレー

副看護師長の「とっさの判断」が80代女性を救った!

「電話をすぐ切って!」とっさの判断で、80代の女性患者の特殊詐欺被害を未然に防ぎました。岡山大学病院の副看護師長の女性に、警察から感謝状が贈られました。

感謝状が贈られたのは、岡山大学病院で副看護師長を務める青井美由紀さんです。4月10日、青井さんは病院の待合室で、顔見知りの80代の女性患者と出会いました。女性は診察に来たものの、主治医が不在だったため帰宅するところでした。

「30万円振り込まんといけんから」「ん?!」

いつものように何気なく雑談していたところ、女性が「30万円振り込まんといけんらしいから、振り込んでから家に帰るわ」と打ち明けました。

「ん?!」青井さんは違和感を覚えます。

すると、女性は
「インターネットで何かを買ったらしく、振り込まないと裁判になる」
「今お金を払ったら、裁判せんでええらしい。振り込むまで電話が繋がっとるんよ」
と続けました。

しかも携帯電話の相手は見知らぬ男で、通話中の状態だというのです。

違和感は胸騒ぎに変わります。

そのとき青井さんはとっさに伝えた

青井さんは思わず女性に「インターネットできるんですか?」と尋ねます。すると女性は「おばあさんができるわけねえが」と即答。

「これはまずい!」
青井さんの胸騒ぎは確信に変わりました。

「絶対おかしいから電話をすぐ切って」と女性に伝え、被害を未然に防ぐことができました。その後女性は、警察に相談しました。

海外の番号から掛かってきた電話 女性は信用してしまった

警察によりますと、電話をしてきた相手は男で、発信は海外の番号だったということです。女性は、男が名前を名乗ったため信用してしまったそうです。

電話の男は「あなたがきょう中に29万9600円を、こちらが指定する口座に振り込まなければ裁判になります。指定口座はのちほどショートメールで送ります」と迫ったということです。

(岡山大学病院 副看護師長 青井美由紀さん)
「まさか病院の中でそういうことが起きているとは思ってもいなかったので、阻止できて良かったなと思っています」

巧妙化する手口。2024年1月~3月の岡山県内の特殊詐欺の被害額は7769万円に上っていて、岡山県警は注意を呼び掛けています。

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