立憲が環境省マイク切り問題で国対ヒアリング 同省担当者「大きな問題になる認識なかった」

国対ヒアリングを行った立憲民主党

立憲民主党は9日に国会内で「環境省水俣病懇談会マイク音声音切り問題」国対ヒアリングを行った。

この問題は5月1日に熊本県水俣市で開かれた伊藤信太郎環境相と水俣病患者団体との懇談会で、同省職員が発言中だった被害者のマイクを切ったことによるもの。

冒頭、西村智奈美代表代行は「よもや環境省は被害者のみなさんの声を聞いていないと思いたくないが、このようなことがあると、そう受け取らざるを得ないです」と述べた。

くだんの懇談会に出席していた水俣病不知火患者会の岩崎明男会長はこのリモートで参加。水俣病の被害が公式確認されて68年が過ぎたものの実態解明に必要な健康調査がいまだに行われていない状況を踏まえ、「国のやり方ははっきりした。私たち被害者を愚弄していることを何とも思っていない」と胸の内を明かした。

同省の対応については「私のまわりには涙も出さずに亡くなっていった人がたくさんいる。人間の血が通っている人は、そういうことはしない」と怒りをあらわにした。また8日に伊藤氏が謝罪のため同県を訪問した際に、謝罪を受けることができなかったという。

同省担当者は同ヒアリングで「岩崎さんに関しては(マイクがオフになったことが)事実として確認できていません」と弁明した。

懇談中にマイクがオフになったことには「ちょっと混乱があったということは承知していますが、時間的にも予定の40分を超えて、ていねいにお話を聞きました。当時の認識で申し上げると、このマイクを切ったことが、ここまで大きな問題になるというような認識ではなかった」と答えた。

被害者側への謝罪を含めた対応に時間がかかったことについては「ご意見やご要望を(伊藤)大臣が全部聞き取り、ていねいに回答できたという意味で、懇談会自体はいいものができたという認識でいました」と説明した。

© 株式会社東京スポーツ新聞社