中国SMIC、第1四半期は19.7%増収 先行きに慎重見通し

[北京 9日 ロイター] - 中国の半導体受託製造最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)が9日発表した2024年第1・四半期(1─3月期)決算は、売上高が前年同期比19.7%増の17億5017万ドルだった。世界的な顧客の在庫積み増しが追い風となり、LSEGがまとめた市場予想の16億9000万ドルを上回った。

趙海軍・共同最高経営責任者(CEO)は10日の決算電話会見で、昨年第4・四半期に比べて世界的に供給先の企業は在庫を増やすことに前向きだったと説明。また、国内供給先の一部は市場シェアを拡大することに成功し、地位を固めるために受注確保を狙ったと説明。

同社の売上高の約8割は中国国内の顧客が占めている。

趙氏は先行きについては不透明だとし、顧客が年後半の需要を過大に見積もっていないか注視していると述べた。24年通年の売上高の伸びは8%強になると予想した。

SMICを巡っては、中国製としては最先端の半導体を中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)向けに開発したことが分解調査で分かり、脚光を浴びた。

ファーウェイの最新スマートフォン「Pura70」にもSMICが製造したチップが使われていることが分解調査で判明している。

純利益(未監査)は69%減の7179万ドルと、市場予想の8049万ドルを下回った。工場や設備の大幅な減損損失が響いた。

24年第1・四半期の資本支出は22億ドルだった。

© ロイター