回転窓/ウオーカブルな都市へ

土地区画整理事業が進む地元で、道路や駅前広場が新しくなった。変わったのは商店街に面する街路が一方通行になり、車の通行が減ったこと。ゆっくり散策できるまちになると商店街会長は期待を込める▼居心地が良く歩きたくなるようにする「ウオーカブル」が、まちづくりのキーワードになっている。伊勢神宮で知られる三重県伊勢市は、次期遷宮に向けたまちづくりの一環で、ウオーカブルに向けた社会実験などを2024年度に新規事業で実施する▼大阪・難波駅前では「なんば広場」が昨年11月にオープン。タクシーやバスの乗り場に利用されていたが、地元の発意をきっかけに歩行者空間に生まれ変わり、新たなシンボルになっている▼自動車交通は多くの人の暮らしを支えており、重要であることに変わりはない。そうした意義は大事にしつつも、成熟社会にふさわしい道路空間を追い求める必要があろう▼米ニューヨークで道路空間変革を手掛けたジャネット・サディク=カーン氏の来日記念講演会が、14日に東京、16日に大阪で開かれる。主催は国土交通省。新たなまちづくりのヒントになる話が聞けそうだ。

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