【ソフトバンク】首位独走の鷹に死角はあるか 小久保監督とフロントの一致した〝見解〟とは

小久保監督の見解とは

ソフトバンクは9日までに33試合を消化して、22勝9敗2分けと見事な開幕ダッシュに成功した。ライバル5球団すべてに勝ち越して貯金13、2位に5・5ゲーム差をつけて首位を快走中だ。

開幕前に懸案とされた先発陣が互いを刺激し合うように好パフォーマンスを連発。強力な中継ぎ陣が触れ込み通りに力を発揮し、常勝再建へ「投手中心の守り勝つ野球」を理想通りに展開している。

死角はあるか――。小久保裕紀監督(52)と球団フロントで一致している見解がある。両者は定期的にミーティングを実施。直近も〝転ばぬ先のつえ〟で、チームの問題点について意見を交わした。最大の懸案は「トップ3」の故障離脱だ。3番・柳田、4番・山川、5番・近藤で形成する中軸は12球団屈指。日本球界の「投高打低」にあらがうように3人がドッシリと並び、ここぞの勝負強さで開幕から接戦をモノにしてきた。

小久保監督は交流戦前のポイントに挙げていた今月上旬からの西武、日本ハムとの6連戦を4勝2敗で勝ち越した直後「選手個々のコンディショニング把握に努めます」と語気を強めた。中軸の3人に加え、日本ハムとの3連戦でスタメンを外れた周東らの離脱リスク軽減は最優先事項。シーズンをフルに主力がけん引するチームづくりを標ぼうする中で、常に「危機感」を隣に置いたマネジメントに余念がない。ほぼDH専任だったウォーカーの二軍降格後は、主に中軸3人の故障リスクとパフォーマンス維持を念頭にDHの使い方に腐心している。

一軍が好調である以上、選手の入れ替えも頻繁には行われない。そのため二軍で出番を待つ選手のモチベーション維持は重要で、指揮官は定期的なファーム視察と当事者への昇降格の基準を明確に提示している。凡事徹底でこのまま突き進むことができるか。

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